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    オーストリア産の生ハムとベーコン

    何千年も前から人々は肉を、塩漬けしたり、乾燥させたり、燻したりしと芸術を作り上げてきました。生ハムは(オーストリアでは「シュペック」と言いますが)ただの肉の塊としてではなく、様々な特徴があります。シュペックは、塩をまぶしたり、火を通したり、空気に触れさせたり、香料を加えたりと極秘の組み合わせによって仕上がります。

    シュペックは、背中のロース肉から作られるカレシュペック(Karrespeck)、もも肉から作られる生ハム(Schinkenspeck)、ばら肉から作られるベーコン(Bauchspeck)に分類されます。シュペックには、多くのビタミンや鉄分、セレニウム等が含まれています。山岳地方に住む人々にとって代表的な栄養源です。

    ケルンテン州のガイルタール・シュペック
    ガイルタール渓谷のベーコンの特徴は花が含まれた干し草が飼料に使われていることで、薫り高き風味があることです。世界で最初の「スローフード観光地域」では、優れた品質を持つ生産物が供され、グルメの称賛を得ています。そこでは完璧な製品を作るためには多くの時間が必要と人々はよく知っているのです。

    チロル州のシュペック
    チロル州では、北の地方の燻製様式と地中海の乾式といった混合形式を用いています。少量の塩、低温の燻煙、新鮮な空気を多量に触れさせたり、一週間熟成させるといったことが、真のチロル州のシュペックの特徴です。東チロルでも、低温の燻煙、絶妙な香料、新鮮な山の空気といった組み合わせで、ある特産品が作られています。それは、ヘンケレといって、牛肉や羊肉、鹿肉、猪肉などを使用した燻製肉です。

    オーバーエステライヒ州北西部に位置するインフィアテル地方のスアシュペック(背ロースから作る生ハム)
    スアシュペックは、インフィアテル地方における長年の伝統であり、この地域の特産品です。これは、背ロースを真空状態で食塩とニンニクで塩漬けし、様々な香料と共に熟成させたものです。完成したスアシュペックは、一年間保存可能で、この地域の伝統でスナックとしても親しまれています。

    シュタイヤマルク州のヴルカンランド・シュペック
    シュタイヤマルク州の火山地方では、独特な風土と享楽が融合しています。大量生産はこのシュタイヤマルク州の火山地方には向いていません。したがって、ここで育つものには価値があります。この地域の農家では、この地方で育てた豚肉を原料とした絶妙なヴィルカンランド・シュペックを作っています。このシュペックの特徴はその熟成方法にあります。塩と香料を加え、27か月間自然乾燥させて生ハムを作ります。各生産者にそれぞれのレシピがあり、訪れた人々に味見をさせてくれるでしょう。

    オーストリア食の地域について(ドイツ語)
    オーストリアの食の愉しみについて

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