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    ウィーン:オーストリア共和国の首都

    ウィーンは伝統の魂が息づいています。しかし、軽快なワルツの調べと共に、新旧のアヴァンギャルデがインスピレーションをもたらしてくれます。豪華な建築群と愛らしい側面が融合する街 - それがウィーンの魅力です。

    オーストリアの首都ウィーンは長い伝統を持つハプスブルク帝国の都であり、宮廷文化が今も華麗に息づき、音楽と芸術の都として知られる素敵な街です。ハプスブルク王朝の重要な歴史的建築が立ち並ぶ一方、近代的で未来を志向する建築物も多く、スタイリッシュなライフスタイルと活気に満ちた文化の楽しみに溢れています。市の周囲には1250km2にも及ぶ広大なウィーンの森が広がり、市民の憩いの場所となっています。これは他のヨーロッパの大都市にはみられない独特の魅力です。 


    城壁に囲まれていた旧市街を歩く


    UNESCO世界遺産にも登録されているウィーンの旧市街は、昔は城壁と堀に囲まれていました。その外側には敵が襲来したときに防衛の邪魔にならないよう帯状の空地が設けられていました。1858年から1865年にかけて、それらを取り壊してできたのが、全長約4km、約57mもの幅の広い環状道路リングです。ウィーンの旧市街はほぼ五角形をなす、この環状道路に取り巻かれているため、大変わかりやすく散策できます。

    旧市街のまさに中心に建つのが、ウィーンのランドマークであるシュテファン大寺院です。大寺院の広場から南に延びているのがケルントナー通り、西に延びているのがグラーベン通り、グラーベンと交差しているコールマルクト通り一帯は歩行者天国になっており、当市一番のショッピング街です。

    環状通りのリング沿いには、首都にふさわしい威容を伝える多くの豪華な公共および民間の建物が立ち並んでいます。19世紀中頃に流行した歴史主義に基づき、古典的なギリシャの様式からユーゲントシュティール(アール・ヌーボー)にいたるまでの、過去のいろいろな時代の建築様式を忠実に再現した建物が、この環状道路を飾っています。

    環状道路沿いの主な見所は、ケルントナー通りと交わる角に建つ美しい国立オペラ座、時計回りに進むと、新・旧のホーフブルク王宮と王宮門と英雄広場にやってきます。道路の向かい側には、美術史博物館と自然史博物館が、女帝マリア・テレジアの記念碑のある広場を間に挟んでツインに向かい合っています。さらに国会議事堂、市庁舎、ブルク劇場、ウィーン大学と通りの左右に続きます。

    リングから少し外側に出たあたりには、ウィーンの美術や音楽の殿堂がいくつか位置しています。カールスプラッツ広場に面してバロック様式のカールスキルヒェ教会が建ち、この広場の北東寄りには楽友協会、また、広場からちっと西よりには、屋上に月桂樹をあしらった金色のドームをもつセセッシオンという世紀末ウィーン美術を代表する建物があります。

    さらに、旧市街から外にハウプトバーンホーフ駅(以前の南駅)の方向に行くと、美しいバロックのベルヴェデーレ宮殿があります。宮殿は2つの建物から成り、緩やかな傾斜地を巧みに利用した広くて美しい庭園の上手に上宮、下手に下宮が建ち、両宮殿とも美術館となっています。上宮には有名なクリムトの「接吻」が展示されています。

    都心から数キロ西南方向に行くと、誰もがウィーンで訪れる、世界遺産のシェーンブルン宮殿があります。広大な宮殿は1696年から1713年にかけて、フィッシャー・フォン・エアラッハにより今の形に設計され、造営されました。このハブルブルク家の夏の宮殿は部屋数が1441部屋。そのうち最も重要な40部屋が公開されています。庭園の美しさは世界に誇るもので、色とりどりの花が植え込まれた花壇、彫刻で飾られた噴水、庭園の最高所に聳えるグロリエッテ、ヨーロッパで最古の動物園、温室などが見られます。


    ウィーンは音楽世界の首都

    「音楽の都」はウィーンにとって最もふさわしい形容詞です。ウィーンでは、音楽はあらゆるものに浸透しています。ハプスブルク帝国では皇帝、貴族、市民にいたるまで音楽愛好の精神がみなぎり、才能ある作曲家や演奏家はウィーンに集まってきました。現代でもそれは脈々と受け継がれ、歴史あるダイホールでは、本格的なコンサート、オペラ、音楽祭、ミュージカル、バレエなどが楽しめます。また、観光客向けの気軽に楽しめ、しかも質の高いコンサートから、現代音楽、ジャズやテクノミュージックまで、すべてのジャンルを楽しむことができます。


    ウィーンは美食の街

    「食へ物と飲み物は、肉体と精神を結びつけるきずなである」・・・これはウィーンの古い諺です。食事の楽しみは、ウィーンでは非常に重視されています。食についての専門家はいたるところで活躍し、昔から人々は食事や飲み物について頻繁に話題にしてきました。そしてレストランの名代の料理を比較して、白熱した議論がまき起こることもしばしばです。このように地元の人々の舌が肥えているので、どの店でもいい料理を出すことに懸命で、ウィーンを訪れる旅行客はその便益にあずかれるというわけです。カフェから、菓子屋、レストラン、バイスル(気軽な食事所)からワインケラーやワイン居酒屋(ホイリゲ)まで、それぞれに特徴があり、どの店に入っても失敗はありません。

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