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    ワッハウ渓谷ドナウ川クルーズ

    メルクからクレムスにいたる30数キロの一帯はワッハウ渓谷と呼ばれ、ドナウ川クルーズの中で最も風光明媚な場所として知られており、ユネスコ世界文化遺産に指定されています。ウィーンから定期観光バスのほか、鉄道を利用して日帰りもできます。

    渓谷というには広々としており、流れもゆるやかで、小高い丘にはい上がるぶどう畑や、その向こうにそびえる城や宮殿のシルエットが、数分おきに目の前に迫ってきます。
    ドイツのシュヴァルツヴァルトから黒海へと続く全長3000キロ余りのドナウ川の中で、城と僧院とブドウ畑という風景は、このワァッハウ(Wachau)渓谷以外には見当たらず、まさにハイライトと呼ぶにふさわしいスポットです。その中心はメルク、デュルンシュタイン、クレムスです。

     

    交通・アクセス

     

    ● 鉄道・船・バス:
    ウィーン西駅からメルクまで列車で約1時間。メルク Melk 〜クレムス Krems 間は船で観光でき、所要時間は下りが1時間45分、上りの場合は3時間。
    冬期、船が運休の間はメルク駅からクレムス駅まで、ドナウ河の右岸をゆく路線バスを利用します
    クレムスからウィーンへは列車で戻ります。市の北寄りにあるフランツ・ヨーゼフ Franz-Josef 駅行で約1時間10分、その一つ手前のハイリゲンシュタット Heiligenstadt 駅で降りると、地下鉄U4に接続できます。

    ● ドナウ観光船:時刻表はこちらで
    ・ワッハウ渓谷の観光船 メルク → デュルンシュタイン → クレムス
    ・ウィーン市内ドナウ遊覧船

    ● ワッハウへの列車:時刻表はこちらで
    ・ウィーン → メルク、ザルツブルク → リンツ → メルク
    ・デュルンシュタイン → クレムス → ウィーン
    ・クレムス → ザルツブルク

    ● ウィーンからバスとワッハウ観光船のついた一日ツアー
    - ヴィエナ・サイトシーイング・ツアーによる通年催行されている一日観光。夏の期間はワッハウ観光船もツアーに入り、冬の期間で観光船が運行されていないときは、バスのみの運行となります。詳しくは

    ● 個人で行くウィーンからのワッハウ観光 - 列車と観光船とメルク修道院入場料がついたワッハウチケット Wachau Ticket
    ツアーを利用したくない方にお得で、便利なコンビネーションチケット。利用はワッハウの観光船が運行されている期間、毎日。列車(ウィーン~メルク、またはウィーン~クレムス)、観光船(メルク~クレムス)の時間は時刻表から個人で自由に選んでください。チケットはウィーンなどの鉄道駅のチケットカウンターで販売。コンビチケットに関してはこちらで。

    ● 車:全行程で約200km、ほぼ半分が高速道路です。

     

    ドナウクルーズ沿いの見所

     

    メルク Melk(右岸)
    メルクはワッハウ渓谷の西側の起点に位置する町です。ドナウ分流のほとりに建つベネディクト派の修道院は「横にのびた摩天楼」あるいは「信仰の要塞」などと呼ばれ、バロック様式の荘厳華麗な建物としてワッハウ渓谷のシンボルともなっています。10万冊に上る蔵書を誇る図書館も見学することができます。金色に輝く豪華な礼拝堂や、テラスから望むドナウのパノラマも必見です。また、女帝マリア・テレジアの時代、マリー・アントワネットがフランスへのお輿入れの際に宿泊したことでも知られています。www.stiftmelk.at

    シェーンビュール Schoenbuehel(右岸)
    9世紀に起源するシェーンビュールの城は、14世紀に貴 族シュタルヘンベルク家の所有となり、17世紀には修道院が建てられました。そして、19世紀にベ ロルディンゲン伯の城となってからは今日見られる姿になり、メルクの次に見えてくるハイライトとして印象的な建物です。www.schoenbuehel.at

    アッグシュタイン Aggstein(右岸)
    小高い丘にあるアッグシュタイン城址には、様々な逸話が語り継がれています。12世紀、この地方の貴族クエリンガー侯は、この城からドナウに鎖を渡して航行中の船を止め、略奪を行ったとされています。
    また15世紀には、盗賊騎士シュレッテンワルダーが、捕虜を絶壁のうえに閉じ込め、崖から飛び降りるか餓死するかの二者選択を迫ったといわれています。崖の上に建つ城跡からの眺めはすばらしく、盗賊騎士の伝説が真実味を帯びて迫ってきます。www.aggstein.at

    ヴィレンドルフ Willendorf(左岸)
    シェーンビュールの下流8キロにある小さな村で、旧石 器時代の出土品で有名な村です。古代人の豊饒のシンボルとされる「ヴィレンドルフのヴィーナ ス」もここで発見されました。村には、この女性裸像の石像を大型化した記念碑が立っています。実物はウィーンの自然史博物館に展示されています。www.willendorf.at

    シュピッツ Spitz(左岸)
    アッグシュタインから下流へ約5キロ下った左岸にあるシュピッツの町は、メル ク〜クレムス間のほぼ真ん中に位置し、ワッハウ渓谷の中心地となっています。 ゆるやかな稜線を描く丘の斜面一帯にはぶどう畑が広がります。シュピッツの「船の博物館」では、ドナウ河を行く船の歴史をたどることができ、子供たちにも 人気のスポットです。www.spitz-wachau.at

    ヴァイセンキルヒェン Weissenkirchen(左岸)
    「リースリング」という白ワインの発祥地であるヴァイセンキルヒェンは、シュピッツから約10キロ下流に位置する町。一目でそれと分かる典型的な要塞教会があり、遊覧船からでも警備の塔や城壁がよく見えます。
    古い家並みが良く保存され、とりわけルネッサンス様式の美しい内庭と回廊を持つタイセンホーファーホーフの「ワッハウ博物館」には、当時のワイン農民の誇りと、富の歴史が紹介されています。www.weissenkirchen.at/

    デュルンシュタイン Duernstein(左岸)
    12世紀中頃に築かれた城に、十字軍遠征の帰路ウィーン付近で捕えられたイギリスの「リチャード獅子心王」が幽閉されていた史実は余りにも有名です。王の身の上を案じた騎士ブロンデルは吟遊詩人に身をやつして王の好んだ歌を唄いつつ諸国を巡りました。デュルンシュタインの城にさしかかったところ、同じ歌で応える声があり、ついにリチャードを発見したという伝説には、中世的なロマンの香りが漂います。
    ドナウに美しいシルエットを落とすデュルンシュタインの教会は、17世紀にバロック様式に改装されました。その絵画的な風景はワッハウ渓谷のハイライト。教会を取り巻く中世の街並みは良く保存されています。www.duernstein.at

    クレムス Krems(左岸)
    ゴシック、ルネサンス、バロックの街並みが見事に保存された美しい町で、城壁の一部が今も残り、13~16世紀の都市城塞、13世紀のゴッツォブルク城、16~18世紀の市庁舎、初期バロック様式の教区教会など、美しい古い建物が見られます。旧市街の真ん中に、ドミニコ派修道院の建物をそのまま転用したワイン市立博物館があり、昔からこの地方の重要な産業だったワイン作りについての興味深い展示があります。そのほか、クンストハレや風刺画美術館なや映画ギャラリーなど、いろいろなミュージアムがあります。www.krems.at

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