原始時代からイリリア人とケルト人の故郷

身を守るのに適した地形を持つ高原地方には、旧石器時代からすでに集落が存在していました。紀元前8万年から1万年頃には、ドナウ河周辺にも人が住みはじめました。クレムス地方で発見された「踊り手」や「ヴィレンドルフのヴィーナス」は、古代文化を物語る重要な出土品です。

この地に住み始めた民族の特定は資料がないためにできませんが、その後ここに定住するようになりました。
新石器時代には農業や牧畜も営まれ、金属製の道具も使われるようになります。1991年にはアルプスのエッツ谷氷河で石器時代の男のミイラが発見され、センセーションをまき起こしました。

紀元前800年から400年にかけての寒冷期には、現在のオーストリアの地にはインド・ゲルマン語族に属するイリリア人が住み、すでに塩や金属の交易を活 発に行っていました。これは当時の貴重な出土品があった地名に由来しハルシュタット文化と名づけられていますが、この文化はヨーロッパ中と交易を営んでい たケルト人によって広められていきました。さらに西ヨーロッパから移り住んだ民族は、しっかりと組織化された国を築いていきます。その経済的な基盤となっ たのは、以前からの岩塩ならびにシュタイアマルク地方から採れる良質の鉄でした。
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