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シュラードミングのローデン生地

何世紀もの間、ローデンは、アルプスに住む人々が生産してきた高機能な生地であり、オーストリアを表す同義語といえる織物です。ローデンほど寒さや風雨から、身体を自然に守ってくれる織物生地はありません。「シュラードミングの岩」と呼ばれている、丈夫な男性用のジャケットが特に有名です。この服に使われるローデン生地は、オーストリアで最古の歴史を誇るローデンワルカー社で織られています。

 © Jörg Steiner

パール・ローデンと呼ばれる斑点がある、淡いグレーの丈夫な生地は、この地のきつい山の生活と、厳しい気象条件に耐え抜くための最適な解決法の一つでした。

もともと、このようなローデン生地は、ズボンの生地として用いられていました。1909年、シュタイナー兄弟は、ダッハシュタインの南壁のナイフのように鋭い岩角から身を守ってくれる、破れに対して耐久性があり、非常に丈夫なローデン生地で作られた服を着て、高さがほぼ1000メートルにも及ぶ、垂直の崖への危険な登頂に初めて挑みました。偉大なる冒険を支え、後に世界最高峰へ向かう探検隊にも支給されたこの生地は、シュタイナー兄弟の家族が経営するローデンの織物工場で織られたものでした。

1888年以来、シュタイナー家が所有する、この伝統的なウール織物工場は、今日でも生産を続けています。未だに古い機械を使ってローデン生地を生産するのは、何もノスタルジーからではありません。重いハンマーが付いた、昔ながらの木製の布たたき機だけが、ウール地の最適な縮充工程を行えるからです。この工程では、たたくと共に、お湯と石鹸で繊維が処理されます。このようにして、撚り糸に厚みを与え、風を防ぐペルル・ローデン生地が生産されます。長さ1メートルの生地を作るには、新しい純粋なウール糸が約400グラムから1000グラム必要です。布たたきと、摩擦工程を終えた生地は繊維が厚くなり、長さが元の長さの三分の二まで縮みます。

本物の「シュラードミングの岩」と呼ばれる男性用ジャケットは、牡鹿の角で作ったボタンと、特徴的な緑色の襟とパイピングの縁取りが付いた、時には重さが3キロにもなる、ずっしりとした衣服です。生地に使われる伝統的なウールには、ダッハシュタイン山で草を食んで育ったオオツノヒツジの毛が使われています。この素材は、自然に水を弾き、通気性がよく、断熱性がありますので、消防士の保護用の衣類にも使われています。

シュタイナー社では、彼らの毛織物の専門技術と知識を駆使し、今までとは全く異なる販路を開拓しました。丈夫で機能的な服と共に、ソフトで滑らかな風合いのローデン生地のデザインと製造を手掛け、例えば、イヴ・サン・ローラン、グッチやドルチェ&ガッバーナなどの国際的なファッション・ブランドや、ナイキやアディダスなどの国際的なスポーツ・ブランドの要望にも幅広く応えています。彼らのホームウエアの取扱商品には、カラフルで心地よい毛布やショールなどがあり、カシミア、メリノ、アルパカ、アンゴラなどの高級な素材が使われていますので、ぬくぬくと気持ち良く身を包むには最高の商品です。これら高品質な生地は、長年に渡ってその風合いが楽しめ、100%自然素材の温かさを与えてくれます。

役立つリンク

創業1888年シュタイナー社・ウールの世界
新たにオープンしたシュタイナー1888ウールの世界では、興味深い伝説的なフェルト地製造用ハンマーや、ローデン生地の総合生産施設を見学して、柔らかくふわふわとしたウール地の心地よい感触に直に触れることもできます。工場内のガイド付きツアー、最新の3D映画、マルチ・メディア・ステーションやインフォメーション・コーナーに加えて、新設のウール・ワールド・ショップとカフェは、家族みんなで楽しめる、娯楽性豊かな施設です。
www.wollwelt.at

シュラードミングのローデン・シュタイナー社
伝統的なシュラードミング・スタイルの衣服だけではなく、ハプスブルク家御用達の服飾メーカーであったシュナイダー社や、ゲッスル社、ローデンフライ社には、現代的なローデンのコレクションがあり、生地にはシュタイナー1888社が製造したローデンが使われています。
www.loden-steiner.at

ローデンワルカー社
ローデンワルカー社では、20人以上のグループであれば、無料の30分ツアーに参加できます。このツアーは、機械や製造工程の説明を聞きながら、ローデン生地の製造が見学できます。ショールームでは完成した商品を見ることができ、シュタイヤマルク州の伝統的な居酒屋風レストランで飲み物や軽食をとって、一息入れることもできます。見学ツアーをご希望の方は、事前に予約してください。
www.lodenwalker.at