ゴシック様式
ハプスブルク家による権力掌握とほとんど時を同じくして、フランスに始まったゴシック様式が広がりを見せ始め、15世紀には記念建造物の分野で、これまで経験されなかった、超感性的昇華ともいえる建築理念の感性の枠にまで達しました。
色彩華やかな堂々たるステンドグラスにより、教会の内部空間に宗教的体験の新たなアクセントがもたらされました。彫刻は、理想的に高められた聖人像の表現、特に1400年頃の柔らかな様式の聖母像のテーマの解釈としてはヨーロッパ芸術の中 で、おそらく最も優雅なものであったと思われます。
絢爛たる壁画や貴重な書物の挿絵のほかに、とりわけ後期ゴシック式の板絵があります。その代表的な画家として、ミヒャエル・パッヒャー、リューランド・フ リューアウフ、長い間ウィーンで活動したルーカス・クラーナッハや、これまで確認されていないウィーナー・ショッテンマイスターの名が挙げられます。
またヴォルフ・フーバーやアルブレヒト・アルトドルファーもいます。板画と彫刻芸術は、中世の終わりにはひとつに結び付き、様々な形をした翼祭壇の新趣向 を開いています。しかしまた、工芸、特に金細工術のはたらきにより、この時代の様式の豊富さと芸術的表現には目をみはるものがあります。「最後の騎士」と 呼ばれた皇帝マキシミリアン1世と共に、200年余り続いた中世は終わりを告げます。