ワッハウ渓谷 ドナウ河クルーズ

渓谷というには広々としており、流れもゆるやかで、小高い丘にはい上がるぶどう畑や、その向こうにそびえる城や宮殿のシルエットが、数分おきに目の前に迫ってきます。
ドイツのシュヴァルツヴァルトから黒海へと続く全長3000キロ余りのドナウ河の中で、城と僧院とワイン畑という風景は、このワァッハウ渓谷以外には見当たらず、まさにハイライトと呼ぶにふさわしいスポットです。
イラストマップ
鉄道・船・バス: ウィーン西駅からメルクまで準急で約1時間。メルク〜クレムス間は船で観光でき、所要時間は下りが1時間45分、上りの場合は3時間。
冬期、船が運休の間はメルク駅からクレムス駅まで、ドナウ河の右岸をゆく路線バスに乗るか、または、メルクの対岸にあるエマースドルフ駅からクレムス駅まで、ドナウの左岸を行く国鉄に乗るという方法があります。
クレムスからウィーン市の北寄りにあるフランツ・ヨーゼフ駅まで、準急で約1時間。終着駅の一つ手前のハイリゲンシュタット駅で降りると、地下鉄U4に接続できるので、市内に入るのに便利です。時刻表
車:全行程で約200km、ほぼ半分が高速道路です。
各地の見所
メルク Melk
メルクはワッハウ渓谷の西側の起点に位置する町です。その町を見下ろし、ドナウ分流のほとりに建つベネディクト派の修道院は「横にのびた摩天楼」あるいは「信仰の要塞」などと呼ばれ、バロック様式の荘厳華麗な建物としてワッハウ渓谷のシンボルともなっています。
10万冊に上る蔵書を誇る図書館も見学することができます。金色に輝く豪華な礼拝堂や、テラスから望むドナウのパノラマも必見です。また、女帝マリア・テレジアの時代、マリー・アントワネットがフランスへのお輿入れの際に宿泊したことでも知られています。
アルトシュテッテンとシャラブルク Artstetten & Schallerburg
アルトシュテッテンは、メルクからドナウの対岸へ渡って西へ約10キロの町。サラエボで暗殺されたフランツ・フェルディナンド大公夫妻の眠る古城があります。城内では「マイヤーリンクからサラエボまで」と題し、フランツ・フェルディナンド大公の生涯を示す常設展を見ることができます。
一方のシャラブルクは、メルクの南約5キロの場所に位置します。典型的なルネッサンス城塞の外観に加え、美しい回廊、マニエリスムの内装などが見事です。
シェーンビュール Schoenbuehel
9世紀に起源するシェーンビュールの城は、14世紀に貴族シュタルヘンベルク家の所有となり、17世紀には修道院が建てられました。そして、19世紀にベロルディンゲン伯の城となってからは今日見られる姿になり、メルクの次に見えてくるハイライトとして印象的な建物です。
ヴィレンドルフ Willendorf
シェーンビュールの下流8キロの左岸にある小さな村で、旧石器時代の出土品で有名な村です。古代人の豊饒のシンボルとされる「ヴィレンドルフのヴィーナス」もここで発見されました。村には、この女性裸像の石像を大型化した記念碑が立っています。実物はウィーンの自然史博物館に展示されています。
アッグシュタイン Aggstein
小高い丘にあるアッグシュタイン城址には、様々な逸話が語り継がれています。12世紀、この地方の貴族クエリンガー侯は、この城からドナウに鎖を渡して航行中の船を止め、略奪を行ったとされています。
また15世紀には、盗賊騎士シュレッテンワルダーが、捕虜を絶壁のうえに閉じ込め、崖から飛び降りるか餓死するかの二者選択を迫ったといわれています。崖の上に建つ城跡からの眺めはすばらしく、盗賊騎士の伝説が真実味を帯びて迫ってきます。
シュピッツ Spitz
アッグシュタインから下流へ約5キロ下った左岸にあるシュピッツの町は、メルク〜クレムス間のほぼ真ん中に位置し、ワッハウ渓谷の中心地となっています。ゆるやかな稜線を描く丘の斜面一帯にはぶどう畑が広がります。シュピッツの「船の博物館」では、ドナウ河を行く船の歴史をたどることができ、子供たちにも人気のスポットです。
ヴァイセンキルヒェン Weissenkirchen
「リースリング」という白ワインの発祥地であるヴァイセンキルヒェンは、シュピッツから約10キロ下流に位置する町。一目でそれと分かる典型的な要塞教会があり、遊覧船からでも警備の塔や城壁がよく見えます。
古い家並みが良く保存され、とりわけルネッサンス様式の美しい内庭と回廊を持つタイセンホーファーホーフの「ワッハウ博物館」には、当時のワイン農民の誇りと、富の歴史が紹介されています。

デュルンシュタイン Duernstein
12世紀中頃に築かれたデュルンシュタインの町を見下ろすクエリンガー城址は、十字軍遠征の帰路、ウィーン付近で捕えられたイギリスの「リチャード獅子心王」が幽閉されていた史実で、余りにも有名な場所です。
王の身の上を案じた騎士プロンデルは、吟遊詩人に身をやつし、王の好んだ歌を唄いながら諸国を巡りました。そしてデュルンシュタインの城にさしかかったところ、同じ歌でこたえる声を聞きつけ、遂にリチャードを発見したという伝説が残っています。中世的なロマンの香りが漂う物語ですが、現実には1年間に及ぶ長い身の代金交渉の結果、リチャードの身柄と引き替えに莫大な金額をレオポルド5世は得て、これをウィーンやエンス、ハインブルグなどの城壁強化にあてました。
ドナウに美しいシルエットを落とすデュルンシュタインの聖堂参事会員修道院は、17世紀にバロック様式に改築され、その絵画的な風景はワッハウ渓谷のハイライトとなっています。またここにも古い中世の街並みが良く保存され、古城ホテルのテラスから眺めるドナウもまた味わい深く印象的です。
クレムスとシュタイン Krems‐Stein
デュルンシュタインの下流数キロにはワッハウ渓谷の東の玄関口にあたるクレムスとシュタインの町があります。クレムスは、18世紀以前の建物が見事に保存され、ゴシック、ルネッサンス、バロックの町並みが美しい町で、「ドナウのローテンブルク」とも呼ばれています。
一方のシュタインは、隣り合うクレムスとの双子都市で、作品番号でその名を不朽のものとしたモーツァルト研究家であるルードヴィヒ・ケッヘルの生れ故郷でも知られています。
ゲットヴァイク Goettweig
クレムスの対岸約5キロの丘のうえには、これこそまさに信仰の要塞と呼ぶにふさわしいゲットヴァイクの大修道院がそびえています。ワァッハウ観光のコーヒーブレイクに格好の場所です。
ドイツのシュヴァルツヴァルトから黒海へと続く全長3000キロ余りのドナウ河の中で、城と僧院とワイン畑という風景は、このワァッハウ渓谷以外には見当たらず、まさにハイライトと呼ぶにふさわしいスポットです。
イラストマップ
鉄道・船・バス: ウィーン西駅からメルクまで準急で約1時間。メルク〜クレムス間は船で観光でき、所要時間は下りが1時間45分、上りの場合は3時間。
冬期、船が運休の間はメルク駅からクレムス駅まで、ドナウ河の右岸をゆく路線バスに乗るか、または、メルクの対岸にあるエマースドルフ駅からクレムス駅まで、ドナウの左岸を行く国鉄に乗るという方法があります。
クレムスからウィーン市の北寄りにあるフランツ・ヨーゼフ駅まで、準急で約1時間。終着駅の一つ手前のハイリゲンシュタット駅で降りると、地下鉄U4に接続できるので、市内に入るのに便利です。時刻表
車:全行程で約200km、ほぼ半分が高速道路です。
各地の見所
メルク Melk
メルクはワッハウ渓谷の西側の起点に位置する町です。その町を見下ろし、ドナウ分流のほとりに建つベネディクト派の修道院は「横にのびた摩天楼」あるいは「信仰の要塞」などと呼ばれ、バロック様式の荘厳華麗な建物としてワッハウ渓谷のシンボルともなっています。
10万冊に上る蔵書を誇る図書館も見学することができます。金色に輝く豪華な礼拝堂や、テラスから望むドナウのパノラマも必見です。また、女帝マリア・テレジアの時代、マリー・アントワネットがフランスへのお輿入れの際に宿泊したことでも知られています。
アルトシュテッテンとシャラブルク Artstetten & Schallerburg
アルトシュテッテンは、メルクからドナウの対岸へ渡って西へ約10キロの町。サラエボで暗殺されたフランツ・フェルディナンド大公夫妻の眠る古城があります。城内では「マイヤーリンクからサラエボまで」と題し、フランツ・フェルディナンド大公の生涯を示す常設展を見ることができます。
一方のシャラブルクは、メルクの南約5キロの場所に位置します。典型的なルネッサンス城塞の外観に加え、美しい回廊、マニエリスムの内装などが見事です。
シェーンビュール Schoenbuehel
9世紀に起源するシェーンビュールの城は、14世紀に貴族シュタルヘンベルク家の所有となり、17世紀には修道院が建てられました。そして、19世紀にベロルディンゲン伯の城となってからは今日見られる姿になり、メルクの次に見えてくるハイライトとして印象的な建物です。
ヴィレンドルフ Willendorf
シェーンビュールの下流8キロの左岸にある小さな村で、旧石器時代の出土品で有名な村です。古代人の豊饒のシンボルとされる「ヴィレンドルフのヴィーナス」もここで発見されました。村には、この女性裸像の石像を大型化した記念碑が立っています。実物はウィーンの自然史博物館に展示されています。
アッグシュタイン Aggstein
小高い丘にあるアッグシュタイン城址には、様々な逸話が語り継がれています。12世紀、この地方の貴族クエリンガー侯は、この城からドナウに鎖を渡して航行中の船を止め、略奪を行ったとされています。
また15世紀には、盗賊騎士シュレッテンワルダーが、捕虜を絶壁のうえに閉じ込め、崖から飛び降りるか餓死するかの二者選択を迫ったといわれています。崖の上に建つ城跡からの眺めはすばらしく、盗賊騎士の伝説が真実味を帯びて迫ってきます。
シュピッツ Spitz
アッグシュタインから下流へ約5キロ下った左岸にあるシュピッツの町は、メルク〜クレムス間のほぼ真ん中に位置し、ワッハウ渓谷の中心地となっています。ゆるやかな稜線を描く丘の斜面一帯にはぶどう畑が広がります。シュピッツの「船の博物館」では、ドナウ河を行く船の歴史をたどることができ、子供たちにも人気のスポットです。
ヴァイセンキルヒェン Weissenkirchen
「リースリング」という白ワインの発祥地であるヴァイセンキルヒェンは、シュピッツから約10キロ下流に位置する町。一目でそれと分かる典型的な要塞教会があり、遊覧船からでも警備の塔や城壁がよく見えます。
古い家並みが良く保存され、とりわけルネッサンス様式の美しい内庭と回廊を持つタイセンホーファーホーフの「ワッハウ博物館」には、当時のワイン農民の誇りと、富の歴史が紹介されています。

デュルンシュタイン Duernstein
12世紀中頃に築かれたデュルンシュタインの町を見下ろすクエリンガー城址は、十字軍遠征の帰路、ウィーン付近で捕えられたイギリスの「リチャード獅子心王」が幽閉されていた史実で、余りにも有名な場所です。
王の身の上を案じた騎士プロンデルは、吟遊詩人に身をやつし、王の好んだ歌を唄いながら諸国を巡りました。そしてデュルンシュタインの城にさしかかったところ、同じ歌でこたえる声を聞きつけ、遂にリチャードを発見したという伝説が残っています。中世的なロマンの香りが漂う物語ですが、現実には1年間に及ぶ長い身の代金交渉の結果、リチャードの身柄と引き替えに莫大な金額をレオポルド5世は得て、これをウィーンやエンス、ハインブルグなどの城壁強化にあてました。
ドナウに美しいシルエットを落とすデュルンシュタインの聖堂参事会員修道院は、17世紀にバロック様式に改築され、その絵画的な風景はワッハウ渓谷のハイライトとなっています。またここにも古い中世の街並みが良く保存され、古城ホテルのテラスから眺めるドナウもまた味わい深く印象的です。
クレムスとシュタイン Krems‐Stein
デュルンシュタインの下流数キロにはワッハウ渓谷の東の玄関口にあたるクレムスとシュタインの町があります。クレムスは、18世紀以前の建物が見事に保存され、ゴシック、ルネッサンス、バロックの町並みが美しい町で、「ドナウのローテンブルク」とも呼ばれています。
一方のシュタインは、隣り合うクレムスとの双子都市で、作品番号でその名を不朽のものとしたモーツァルト研究家であるルードヴィヒ・ケッヘルの生れ故郷でも知られています。
ゲットヴァイク Goettweig
クレムスの対岸約5キロの丘のうえには、これこそまさに信仰の要塞と呼ぶにふさわしいゲットヴァイクの大修道院がそびえています。ワァッハウ観光のコーヒーブレイクに格好の場所です。

