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    オーストリアのユネスコ世界遺産

    オーストリア国内にはウィーンやザルツブルク、グラーツの旧市街のほか、山岳鉄道や湖水地方など、バラエティーに富んだ12のユネスコ世界文化/自然遺産が登録されています。

    *登録年順

    シェーンブルン宮殿 (1996年登録)
    ハプスブルク家の夏の離宮。1441室のうちもっとも重要な約40室が一般公開されています。マリア・テレジアとその子供達が過ごした部屋、モーツァルト が御前演奏した部屋、ナポレオンがウィーンを占領時に使った部屋、皇帝フランツ=ヨーゼフや皇妃エリザベートが生活した部屋、最後のカール1世が1918 年退位宣言に署名してハプスブルク帝国が640年の歴史に幕を閉じた部屋など、ヨーロッパの歴史の舞台を見ることができます。www.schoenbrunn.at

    ザルツブルク 歴史的地区 (1996年登録)
     岩塩鉱のおかげで、街はザルツブルクという名前(塩の城)と富の両方を手に入れ、長く大司教が支配する独立した荘厳なバロック都市として栄えてきました。
     町中のロマンチックな路地は、神聖で荘重な建造物の間を縫い、広々とした広場へと流れ、やがてまた、歴史の重みを感じさせる数百年前の風格ある館の間を抜 けて行きます。モーツァルトの生誕地としても知られ、毎日多くのコンサートが開かれ、町中に音楽が溢れていると言っても過言ではありません。

    ハルシュタットとダッハシュタイン (1996年登録)
    奥ザルツカンマーグート地域に位置する人口約1000人のハルシュタットの町と、オーバートラウン、ゴーザウおよびバード・ゴイゼンの一部、そしてダッハシュタイン山塊全体にわたる地域が対象となっています。
    ハルシュタットの町は古くから貴重な岩 塩が採れたため、先史時代から重要な商業の中心地でした。ハルシュタット文化に関する資料や古代墓地の出土品などは、町の博物館に展示されています。標高 2995メートルのダッハシュタインを中心とするこの地域は、アルプス再東端の氷河があり、ザルツカンマーグートの中でもとりわけ雄大な自然芸術を鑑賞できる場所として人気の場所です。

    センメリング鉄道 (1998年登録)
    ウィーンから南へ、グラーツ方面の列車に乗って約80キロ行くと、グロニッツという山間の駅があり、ここからブラームスゆかりの地ミュルツツーシュラークまでの約40キロの区間が「センメリング鉄道」、1854年に完成した世界で初の山岳鉄道です。近代的な土木機械もダイナマイトもなかった時代でありながら、6年という異例の短期間で完成し、現在もアルプス越えの最も重要な路線として知られています。
     現在、16のトンネルと16の高架橋があり、高架橋の一部は二層構造となっておりこの路線の目玉となっています。トンネルや構造物は自然の環境に調和するように造られており、美しい景観を見ながらハイキングをしたり、のんびりと各駅停車の旅をするのも オーストリアならではの体験です。

    グラーツ 歴史的地区 (1999年登録)とエッゲンベルク城 (2010年登録)
    シュタイヤマルク州の州都グラーツは、人口25万人余、ウィーンに次ぐオーストリア 第2の都市です。グラーツという名称はスラブ語で小さな城を意味する「グラデツ」に由来するとされており、古来、この町は東からの外敵に備える要塞の役割を果たしてきました。皇帝フリードリッヒ3世は1438年〜53年の間にここに居城を置き、宗教改革期には 天文学者ケプラーが数学教師をしていたことがあります。また、400年以上の歴史を持つグラーツ大学と世界的に知られるグラーツ音楽院があり、国際見本市 や国際会議が開かれるヨーロッパでも有数の文化都市です。
    グラーツ市街の西郊外に建つエッゲンベルク城は、皇帝フェルディナンド2世の宮廷顧問であったヨハン・ウルリッヒ・エッゲンベルク公の居城として1625年建築に着手されました。この四角い建物の四つの塔は四つの季節を、12の門は12ヶ月の月を、365個の窓は1年の日にちを表しています。美しい公園は、四季折々の美しさを呈し、人々の憩いの場となっています。1953年以降は博物館となり、豪華な内部が公開されています(冬期は閉館)膨大な美術コレクションは、豊臣期大坂図屏風を所蔵していることでも知られています。

    ワッハウ (2000年登録)
    オーストリアを流れるドナウ川のハイライトともいえるワッハウは、美しい自然と文化が見事に調和している景勝地です。
    バロックの壮大な修道院のそびえるメルクから、水色の塔を持つ教会で知られるデュルンシュタイン、古い美しい街並みそのものが博物館とされるクレムスまで、ドナウ沿いの約36キロの地域は汲み尽くせぬ美の宝庫といえます。豊かなドナウの流れの両岸には葡萄畑が広がり、良質のワッハウ・ワインは世界にそ の名を知られています。

    ウィーン歴史的地区 (2001年登録)
    オーストリアの首都、大都市の中心部でありながら2000年の歴史を誇る古いたたずまいのリング通りに囲まれた旧市街と、ベレヴェデーレ宮殿を含む歴史的地区が、文化遺産に指定されました。
    旧市街の中央にそびえるシュテファン大聖堂は、12世紀から3世紀にわたる年月を費やして建造され、その回りにはゴシック、バロック、歴史主義、世紀末様式などさまざまなエポックの建築物がひしめき合っています。またホーフブルク王宮など著名な観光名所が集まる地区でもあります。

    ノイジードラー湖の文化的景観 (2001年登録)
     フェルテー湖/ノイジードラー湖は長さ36キロ、幅7〜15キロの、中部ヨーロッパで唯一のステップ湖で、オーストリアとハンガリーの国境線が湖の真ん中を走っています。約280種の鳥 類、数多くの植物に最後の生息地を提供し、世界的に重要な生態系を形成、ノーベル賞を受賞したコンラート・ロレンツはこの湖を主な研究対象としました。水深1.5 m、湖水は僅かに塩分を含み、周辺に広がる130 ヘクタールの葦原が湖を幹線道路から隔てているため海のような印象を与えます。ノイジードル・アム・ゼーには湖の生態系を紹介するノイジードラー湖博物館があります。こうのとりの街ルスト、湖上舞台のオペレッタで有名なメルビシュなどがあります。

    アッターゼーの先史時代の杭上住居 (2011年登録)
    アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群は、紀元前5000年頃から前500年頃までにアルプス山脈周辺で建設された杭上住居の遺跡群を対象とする世界遺産で、アルプス諸国の6か国に渡って存在しています。オーストリアではザルツカンマーグート地方のアッターゼーなどにありますが、湖底に沈んでいるので実際に見学することはできません。ミュージアムなどの展示のみ。

    カルクアルペン国立公園とデュレンシュタイン荒野のブナ原生林 (2017年登録)
    カルパティア山脈などの欧州各地のブナ原生林群は2017年にさらにオーストリアなど9か国が追加され、12か国にわたる世界遺産となり、920.232平方キロメートルの面積をカバーしています。最終氷期終了以来、ヨーロッパでのブナ林は、気候や地理的条件によりその柔軟性と適応性のために千年という比較的短い期間に広がり、ブナ林は長い間、中央ヨーロッパの風景を特徴づけてきました。今日では、わずか限られた地域で、原生林が残されています。これらは、ブナの生態系のすばらしい発展を示す珍しい証左で、北半球のブナ林の生態的重要性が地球にとっても重要な遺産と見なされました。
    ユネスコ自然遺産に登録されたブナ原生林78の領域のうち、オーストリアでは自然遺産になっている2か所、オーバーエステライヒ州のカルクアルペン国立公園とニーダーエステライヒ州のデュレンシュタイン荒野のブナ原生林がユネスコ世界遺産リストに含まれています。

    温泉地バーデン・バイ・ウィーン
    (2021年登録)
    2021年7月、ユネスコはウィーン郊外の温泉保養地バーデン・バイ・ウィーンを含む7カ国11の温泉都市を「欧州の大温泉保養地」として世界文化遺産に登載しました。バーデンは古くローマ時代から温泉が利用されていましたが、19世紀初頭に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が夏の滞在地として以来、急速な発展を見せました。ウィーンの上流階級や芸術家が多く温泉保養にやってきましたが、中でも最も著名な音楽家はベートーヴェンとモーツァルトの二人です。

    ドナウ川 ローマ帝国の国境線
    (2021年登録)
    2021年7月、ドナウ川流域に築かれたローマ帝国の国境線が国内12件目のユネスコ世界文化遺産に登録されました。古代ローマ帝国が現在の英国から中央・東ヨーロッパ、さらには中東、北アフリカに築いた全長約5500kmに渡る巨大な長城のうち、主にゲルマン民族の侵攻に対抗しドナウ川の流域に築いた要塞を「ドナウ川 ローマ帝国の国境線」と呼称します。今回世界文化遺産に登録されたのは、このうちオーストリア、ドイツ、スロヴァキアに残るもので、オーストリア国内ではオーバーエステライヒ州、ニーダーエステライヒ州、ウィーンのドナウ川流域357.5kmに築かれました。オーストリア国内の「ドナウ川 ローマ帝国の国境線」は、すでに観光名所となっているウィーンのミヒャエル広場のローマ遺跡、カルヌムトゥムのハイデントーアや、トゥルン、ツァイゼルマウアー、トライスマウアーの城砦のほか、地中に埋まっている遺跡を含む全22カ所に上ります。


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    ユネスコ メディアアート都市、リンツ
    (2014年登録)
    デジタルメディアアートの先駆者であるリンツは2014年12月にユネスコの「創造都市メットワーク」事業のメディアアート都市として認定されました。リンツはメディアアートの分野でさらなる確固たる地位を築き、オーストリアの創造経済の中心として地域の発展に力を注いでいます。

    •                         Heathen's Gate in Carnuntum, Lower Austria
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      ユネスコ世界遺産「ドナウ川 ローマ帝国の国境線」

      全長約5500kmにも渡るローマ帝国の国境線を示す防砦群はリーメスと(リメスとも)言い、その内ドナウ川流域に築かれたドナウリーメスは2021年7月にユネスコ世界遺産に登録されました。それによりオーストリアのドナウ川沿いに見られる城砦遺跡に再び焦点が当てられ、ヨーロッパの古代史を紐解く新たな章を開くことになりました。
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    •                         city Baden Wienerwald region
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      バーデン温泉保養地はユネスコ世界遺産

      「健全なる精神は健全なる身体に宿る」というのは、古代からの純粋な形の治療法です。ウィーン近郊のバーデンでは、古代ローマ時代の風刺詩人ユウェナリスの言葉「メンス・サーナ・イン・コルポレ・サーノ」を根底にした古代のスパ文化を謳歌してきました。ユネスコの世界遺産に登録されたことは、バーデンの長い歴史にとって輝かしい名誉です。
      体と心をリフレッシュするところ
    •                         Nationalpark Neusiedler See-Seewinkel / National Park Neusiedler See
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      ノイジードラー湖 世界遺産

      ウィーンの南約50キロのところに、長さ36キロ、幅7〜15キロの、中部ヨーロッパで唯一のステップ湖があり、オーストリアとハンガリーの国境線が湖の真ん中を走っています。
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    •                         Kulturerbebahn Semmering
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      世界遺産、センメリング鉄道

      世界遺産のセンメリング鉄道は、ウィーンの南約80キロにある山間の駅グログニッツから始まります。19世紀にヨーロッパ各地で鉄道が発達していく中、オーストリアの険しい山間に当時の鉄道技術を遺憾なく発揮して約40キロの山岳鉄道が建設されました。それにより19世紀後半よりウィーンっ子の避暑地センメリングが発展を遂げました。
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    •                         The adorable city Krems at the Danube River
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      ワッハウ渓谷 世界遺産 ドナウ川の真珠

      ドナウ川の自然史と文化史が融合するなかで形成されたワァッハウ渓谷は、温暖な気候に恵まれ、最高の白ワインを生み出します。その文化的景観がユネスコ世界遺産に登録されており、四季を通じて訪れる人々を魅了し続けています。
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    •                         Imperial carriage museum Vienna
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      世界遺産シェーンブルン宮殿

      建築に凝縮された永遠なる美の世界。見事に演出されたバロックの豪華なライフスタイルを現代に伝えます。
      シェーンブルン宮殿と庭園
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