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民族衣装

オーストリアの民族衣装(トラッハト)は、地方色やアルプスの個性を表していて、その奥には様々なストーリーが込められています。実際、80・90年代には女性の民族衣装であるディアンドルは大きなブームを迎えました。そして今日、若いファッションデザイナー達は独自の斬新的なデザインの民族衣装を世に送り出しています。しかし、いったいオーストリアの民族衣装はどのように発展してきたのでしょうか。
 

現在知られているスタイルのディアンドルは、19世紀の終わりから、実際田舎でよく着られるようになりました。一方、「トラッハト」(民族衣装)は、古いドイツ語で「着るもの」という意味から派生した言葉で、15世紀に端を発しています。その当時、領主たちは、領民がどの職業で、どの立場の人間か、見てすぐわかるように衣装で区別をしていました。そして、農民が衣装を独自に変化させたり、自由にデザインすることは禁止されていました。例えば、ザルツブルク大司教区では、領民が赤や青の服を着ることはできませんでした。民族衣装は中世後期の終わり頃まで、アルプス地方では領民の制服のようなものだったのです

 

しかし、このような制限や禁止にも関わらず、時代の変遷と共に、地方や渓谷ごとに、柄、型、色など独自の特徴を呈するようになっていきました。特筆すべきものでは、ザルツブルク州のフィルツモースのディアンドル、ケルンテン州のラヴァミュントの日曜に着る衣装、シュタイヤマルク州のアウスゼーの有名なディアンドルなどがあります。このように、オーストリアは、地域の多様性と住民の創造性によって、数えきれないほどの多種多様の民族衣装がある国なのです。
 

そして忘れてはならないのは、それぞれの伝統生地の生産者たちの伝統柄を集める飽くなき情熱です。世紀を超えた昔のパターンと色が収集されているおかげで、伝統は守られ、現代のデザインによみがえっています。
 

ここでは、いくつかの代表的な伝統生地とパターンを紹介しています。これらの柄は、絹や、麻や綿の生地ばかりではなく、包装紙などにも利用されています。オーストリアの伝統柄の歴史を通して、田舎のテキスタイルの多様性に巡り合ってください。
宮廷紋織り © Österreich Werbung 宮廷紋織り © Österreich Werbung

宮廷紋織り

皇妃エリザベートはその時代におけるファッションの先駆者でした。彼女のお気に入りの織物の一つに、細かなジャガード織りがあります。この生地はオットー・フレンミッヒ社から仕入れていたことはおそらく間違いはないでしょう。フレンミッヒは170年以上も続くウィーンにある家族企業の織物会社で、多数のカラーバリエーションを持つ高級絹生地は世界中のデザイナーに利用されています。

伝統的な柄と色 © Österreich Werbung 伝統的な柄と色 © Österreich Werbung

昔ながらの貴重な柄と色

フレンミッヒ社の古い棚と書庫には、宝とも言える、8万種類の配色を持つ4000種類の柄が山と積まれています。いつでも手に取れる100年を超えるコレクションは時代に合った形で新しく蘇ります。すべての意味で伝統と現代が融合するすばらしい例です。

ミュールフィアテルの織物 © Österreich Werbung ミュールフィアテルの織物 © Österreich Werbung

何世代にもわたる織物

180年以上前に、フランツ・フィーボックはシェーネッグに「グルーアップ麻織物工場」を開設しました。それは、時代を超える偉業と言えます。なぜなら、ミュールフィアテル地方で生まれた当時の柄は、今日に至るまで受け継がれ、コンテンポラリーなデザインにも使われているからです。もっとも、麻や綿は自然素材で、時代が変わっても持続可能な繊維です。

高級シルク生地 © Österreich Werbung 高級シルク生地 © Österreich Werbung

高級シルクは手間を惜しまぬ工程から

美しい印象的な民族衣装のシルク生地は、熟練の職人により生まれます。非常にたくさんの色の細い糸を巻くときは、忍耐と細部にわたる注意力が必要です。技術があってこそ、高級シルクができます。

トラップファミリーといえば民族衣装 © Österreich Werbung トラップファミリーといえば民族衣装 © Österreich Werbung

民族衣装の親善大使でもあった、あのファミリー

1940年、50年代、トラップファミリーは世界で2000回ものコンサートを開き、オーストリアを有名にしました。舞台には女性はディアンドル、男性はトラッハトを着て立ったので、民族衣装の親善大使でもあったのです。そのファミリーとは、5つのオスカー賞を獲得した映画「サウンド・オブ・ミュージック」で描かれたトラップ一家です。

ブルゲンランド州の藍染 © Österreich Werbung ブルゲンランド州の藍染 © Österreich Werbung

ブルゲンランド州のブループリント

ブルゲンランド州のブループリントは、青色染料を布地の上に刷り込むのではなく、生地を青色染料に浸けて染色します。パターンなどのデザインエレメントのフォトグラムは 布地に付着させ 、それから、布地を洗った後に取り除かれます。 模様は、布地の残りの青色に対して白く現れます。現在オーストリア全国にほんの2か所のみ繊維のブループリントができる工房があり、そのうちの1つはブルゲンランド州のコーkooにある家族経営の染色工房です。
ディアンドルの柄 © Österreich Werbung ディアンドルの柄 © Österreich Werbung

ディアンドルの実際の歩み

女性の民族衣装、ディアンドルは現代では田舎のファッションではなく、都会のファッショントレンドです。19世紀末、上流階級の婦人たちが、とくに夏の避暑地で快適な服装として着始めました。ボディスのフィット感と、動きやすい広いスカートがアルプスのハイキングや散策に大変便利だったようです。

丈夫な服地 © Österreich Werbung 丈夫な服地 © Österreich Werbung

労働者と芸術家のための布地

農家の作業着の生地に、コットンが麻に代わって使われるようになったのは19世紀末頃になってからです。一方、ワラーゼーのヘンドルフという村に住む芸術家、カール・マイヤーは、1910年頃、自分のデザインする服に丈夫な生地を使い始め、ファッション界に革命を起こしました。ヘンドルフは芸術家達の間では、大変人気のある村で、やがてザルツブルク音楽祭にやってくる人々が次々と彼のデザインを取り入れ、麻の服が大流行となりました。

藍染の長い道のり © Österreich Werbung 藍染の長い道のり © Österreich Werbung

藍染の長い道のり

ディアンドルの生地に藍染が使われるようになるには長い道のりがありました。この複雑な染はインドに端を発しています。アムステルダムの二人の商人がヨーロッパに持ち込み、藍染職人がヨーロッパ大陸中に広めたのです。産業革命においてはすっかり廃れてしまったとも言えますが、今日ではまた注目を集めています。

ヴァルトフィアテルの生地柄 © Österreich Werbung ヴァルトフィアテルの生地柄 © Österreich Werbung

ヴァルトフィアテル地方の高級テキスタイルの美

1870年よりバックハウゼン社はヴァルトフィアテルのテキスタイルの伝統と知識を保護し維持してきました。この会社は3500種以上のオリジナルデザインを作り上げてきました。その中にはユーゲントシュティール(アールヌボー)様式とウィーン工房のデザインも多く含まれています。豊富なアーカイブは、この分野では最大級のもので、幾世代にわたりデザイナーたちにインスピレーションを与えています。

日常に着るディアンドル © Österreich Werbung 日常に着るディアンドル © Österreich Werbung

日常にティアンドルを着る

例えば、緑は森や草原を、スカートのピンクはアルペンローゼの花を、そしてエプロンの紫はリンドウを表しています。アウスゼー地方のディアンドルは通常、麻か綿の生地で作られています。それは日常の衣服であり、洗濯しやすいからです。ただ今日では、よりエレガントなバージョンもあり、シルク製のブロック印刷のエプロンなども出てきています。

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www.austria.info と www.austriatourism.com の二つのドメインの主要目的は旅行先としてのオーストリアの観光プロモーションです。