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    世界遺産シェーンブルン宮殿

    建築に凝縮された永遠なる美の世界。見事に演出されたバロックの豪華なライフスタイルを現代に伝えます。

    ユネスコ世界文化遺産にも登録されているハプスブルク家の夏の離宮シェーンブルン宮殿は、17世紀の末、皇帝レオポルト一世の命で、建築家フィッシャー・フォン・エルラッハにバロック様式の壮麗な狩猟の館に改築させたもので、18世紀の半ばに、女帝マリア・テレジアの指示でニコラウス・パカッシが拡張・改装を行い、現在の姿となりました。外観はバロック様式、内部はロココ様式で、1400室の部屋があり、現在その内の40室が公開され、外観の黄褐色はマリア・テレジア・イエローと呼ばれています。

    訪れる人々の関心を引きつけてやまないのは、オリジナルの状態に保存された美しい部屋の内装です。最も豪華な広間は、ナポレオン帝国崩壊後に開催されたウィーン会議で舞踏会の会場となった、長さ40m、幅10mの「大広間 グローセ・ギャラリー」です。数ある広間のうち、6才のモーツァルトが演奏した「鏡の間」も見どころです。また、絢爛豪華な広間やホールと見事な対象を示すのは、皇帝家の人々のプライベートな生活空間です。これらの部屋の内装には、繊細で優雅なスタイルの中に、別の世界への憧れが表現されていて、皇帝家の人々の感性と情緒が感じ取られます。

    「シェーンブルン庭園」
    広大なフランス・バロック様式の「シェーンブルン庭園」は、宮殿見学での疲れを心地よく癒してくれます。マリア・テレジア女帝と、その夫君であるフランツ・シュテファン・フォン・ロートリンゲン公の時代、1750年から造園がはじめられました。丘の上には両翼と広い階段を従えた3つのアーチから構成された凱旋門「グロリエッテ」、1880年に建てられた3つのパビリオンからなるヨーロッパ最大の温室「パルメンハウス(大温室)」、現存する世界最古の動物園で、市民や観光客の憩いの場ともなっている「シェーンブルン動物園」、子供も大人も楽しめる数々のゲームが体験できる「迷路庭園」、宮殿の東棟に隣接したところにあり、皇帝家のプライベートな庭園であった皇太子の庭園と地下室の庭園、皇帝家の水浴場、1996年に日本人女性によって発見され、再現された「日本庭園」などがあります。庭園の縁に沿って敷設された軌道を30分間隔で運転される「ミニ鉄道」が運行されていますので、広い庭園を散策する際はご利用ください。この鉄道は時速15キロで走り、9つの駅を通って1周するのに約45分かかります。

    馬車博物館(ワーゲンブルク)
    シェーンブルン宮殿にある世界的に有名な馬車博物館(ワーゲンブルク)には、オーストリア皇帝の絢爛豪華な馬車や馬具が展示されています。馬車や馬は自動車が発明されるまで、個人が移動するための最も重要な交通手段でした。生活のあらゆる面で重要視されていただけに、宮廷の芸術家たちもその装飾に相当の力を入れていました。
    ワーゲンブルクに展示されている60台以上の馬車、輿、そりを見ながら、公の式典、旅、狩猟やスポーツなどの余暇、子供の遊び、死そして葬儀など宮廷生活の様子を違った角度から思い巡らすことができます。同時に、女帝マリア・テレジア、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃エリザベート、そしてナポレオン1世といった様々な個性の持主たちが歩んだ人生も知ることができます。

    また、なじみのある演目を人形で上演する「マリオネット劇場」、モーツァルトやシュトラウスなどコンサートが聴ける「オランジェリー」も有名です。

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    シェーンブルン動物園

    ウィーンで最も人気の一つであるシェーンブルン動物園は、世界で最古の動物園で、しかも今までにヨーロッパで最も優れた動物園に5回も選ばれています。

    ZOO, Tiergarten Schönbrunn
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    動物園は宮殿の広大な庭園の一角にあり、ウィーンという都市にありながら、まさに自然のなかを散策しているかのようです。世界でも最も古い動物園ながら、施設は最先端で、しかも動物にとってゆったりとした環境が整ったテーマパークです。新しい施設の増設や新しいアトラクション、珍しい動物の赤ちゃんの誕生と飼育に、子供から大人まで楽しめることが間違いありません。毎年、動物のための広々とした生活エリアや飼育舎が新設オープンしていますが、歴史的建築物は大切に保存されています。マリア・テレジアの夫である皇帝フランツI世シュテファン・フォン・ロートリンゲンが、シェーンブルン庭園に子供たちのためにと造った小さな動物園を、貴族たちに披露したのは1752年の夏のことでした。以来、今日に至るまでシェーンブルン動物園は世界中からの訪問者に愛されています。外国からの旅行者でも、ウィーンに来たら必ず寄るというファンもたくさんいます。

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