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    ウィーンの建築ハイライト

    歴史的な旧市街でも、伝統的なワインの居酒屋でも、また、ドナウ河の対岸でも、ウィーンには建築の見所があふれています。この街では、現代的な建築と歴史的な建築が驚くほど革新的に共存しています。ウィーンではヨーロッパ史における全ての建築スタイルを見ることができます。世界的に知られるゴシックのシュテファン寺院や、バロックのシェーンブルン宮殿には、毎年、全世界から多くの旅行者が訪れます。しかも21世紀の現在、ウィーンはちょうど100年前の世紀末時代同様、建築ブームを迎えています。

    ウィーンの建築史を散策する

    早朝にドナウ運河沿いをそぞろ歩くと、朝陽の光だけでなく、自然と、若々しい創造性と、ウィーンの貴重な建築物の遺産とが、共存する感覚を強く感じます。左岸では、運河の水はさらさらと穏やかに、やがては黒海へと流れ、右岸では、石造りの擁壁に描かれたカラフルな落書きが、朝の光を受けて輝いています。また、この遊歩道に沿って歩けば、有名なユーゲントシュティールの建築家オットー・ワグナーの遺産とも初めて会う事になるでしょう。地下鉄のロスアウアー・レンデ駅とフリーデンスブリュッケ駅は、二十世紀初頭にこの有名な都市計画者によってデザインされました。ここから電車に乗れば、確実かつ迅速に市の中心に行く事ができます。

     

    ウィーンの伝統と現代は隣り合わせに存在しています

    ウィーンの旧市街は、伝統的な建築とモダンな建築が、見事に調和し共存している点で卓越しています。ここでは、歴史的な建物と現代の建物とが混合し、他に類を見ない印象的な都市景観を造り出しています。その好例が、ガラスと鉄でできたモダンな建物ハース・ハウスと、それに直接面するゴシック様式のシュテファン大寺院でしょう。さらには、かつてのオーストリア・ハンガリー帝国の所在地ホーフブルク王宮があり、その広場の真向かいには、1911年に完成したウィーン近代建築の歴史的建造物ロース・ハウスが建っています。ここからそれほど遠く離れていない所に、世界的に有名なウィーン国立歌劇場があり、その隣にはアルベルティーナ美術館があります。この美術館は世界最大規模のグラフィック・アートのコレクションを誇るだけではなく、ソラヴィアの翼という、ガラスと鉄でできた斬新なデザインのひさし屋根の役割を果たす、奇抜な構造物でも知られています。


    ウィーンの真ん中にある、都市のリビングルーム

    歴史と時代精神の特別な結合を表すミュージアム・クォーターへ行く途中に、美術史博物館自然史博物館の前を通り過ぎる時は、帝国の歴史を強く感じます。百年前は宮廷の厩舎だったこの場所には、近代建築が立ち並び複合施設を形成して、新たな命が吹き込まれました。今や中庭は、レオポルド美術館近代美術館のような歴史的な建築物や現代建築に取り囲まれた、モダンな都市のリビングルームのように感じられます。これらすべてのものが、ミュージアム・クォーターをウィーンで最も活気ある場所の一つにしています。夕方には、地元の人々だけでなく旅行者も、ここでリラックスし、おしゃべりを楽しみ、沈みゆく太陽の光を楽しむために集まってきます。


    さまざまな建築文化のるつぼ

    カールスプラッツ広場の周辺は、さまざまな建築文化のるつぼです。ウィーンツァイレ通りにあるセセッシオン(分離派会館)は、ウィーンで最も重要なユーゲントシュティール様式の建物です。一方、カールスプラッツ広場にあるバロック様式のカール教会は、通りの反対側に建つ世界的に有名なスタイリッシュなネオクラシック様式の楽友協会ホールと素晴らしいコントラストを見せています。

    ウィーンがたくさんの異なる文化が集まる場となった訳は、この街の輝かしい歴史を見れば分かります。特に二つの目立つ宮殿を含む多くの壮大な建物は、ハプスブルク帝国の遺産です。シェーンブルン宮殿は皇帝たちの夏の離宮であり、特に皇妃シシィーは素晴らしい宮殿内の庭園を散策するのが好きでした。サボイ家のオイゲン公の夏の館として建てられたバロック式のベルヴェデーレ宮殿の庭園にある、段層構造の噴水と彫刻は見事です。


    グラス一杯の本物のウィーン・ワインで、一日を締めくくる

    近代建築がお好きな人は、河を渡って「ウィーンDC」とも呼ばれるドナウ・シティに行くのがいいでしょう。この新しくできた地区の建物は、空に向かってそびえ立つ、ガラスと鉄でできた塔に代表されます。文化的な見所を見て回った長い一日を締めくくるのには、ワイングラスを片手にリラックスした夜を楽しむのがいいでしょう。そして、そんな夜を過ごすには、ウィーンは最適です。何故なら、ウィーンにはブドウ園があるという特典があり、当然ウィーン製のワインがあります。しかもこれらのワインは、最も革新的な建築を誇るワイン醸造所で作られています。

    ウィーンの近代・現代建築

    "建築のノーベル賞"受賞者による最新建築の数々 

    ウィーンの建築名所は王朝時代の歴史的建築ばかりではありません。著名な建築家による現代建築も必見のものばかりです。建築のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞したハンス・ホライン、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロン、ザハ・ハディード、ジャン・ヌー ヴェルなどが、ウィーンに記念碑的現代建築の数々を創造しています。ガソメーター、ハース・ハウス、シュピッテラウアー・レンデの住宅、ピローテンガッセ の住宅群など、数多いハイライトの一部です。

    ウィーンのシンボルとも言うべきシュテファン大聖堂の向かい側で、1990年からゴシック寺院を壁面ガラスに映し出しているのが、 ハンス・ホライン設計のハース・ハウスです。彼はオーストリア人で初めて、1985年、建築界最高の栄誉であるプリツカー賞を受賞しました。この賞は、アメリカのジェーとシンディ・プリツカー夫妻(ハイアット・ホテルのオーナー)によって設立されたものです。毎年授与される賞には10万ドルが 副賞として加えられており、自然科学分野におけるノーベル賞と匹敵するものです。これまでの受賞者には、フィリップ・ジョンソン、リチャード・マイヤー、 フランク・ゲーリー、レンゾ・ピアノ、ノーマン・フォスター、レム・コールハースなどが名を連ねています。

    ホラインのハース・ハウスは、豪華なバロック建築と著しい対照を示す現代建築の一例に過ぎません。ポストモダンのパイオニアとも言うべき同建築家は、宝石 店シュリン(1984)、照明メーカーのツムトーベル・スタッフ(1996)、アルベルティーナの張り出し部分(2003)、ドナウ運河に面するメディアタワー(2001)などのオフィスビル、ラーエルベルクにある建築コンツェルン・ポール社のビル(2003)な ど、数多くの建築を手掛けています。
    スイスの建築家コンビ、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンは1991年、ウィーン東南端のピローテンガッセに、モダンな住宅群を完成しまし た。列状に並ぶ200以上のオブジェクトからなる住宅群は、大地に広がり、安定した雰囲気を生み出しています。建築家コンビは2001年にプリツカー賞を 受賞しました。
    イラク出身の建築家ザハ・ハディードは、オットー・ワグナーによる歴史的なシュタットバーン・アーチの上に、シュピッテラウアー・レンデの住宅群を設計、 これは2005年に完成しました。ハディードはウィーン応用美術大学で教鞭をとり、2004年には、女性として初めてプリツカー賞を受賞しました。

    最近の受賞者はフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルで、2008年に彼の全業績に対しプリツカー賞を得ています。ウィーンでの彼の建築のひとつは、 1998年21区に建てられたユニークな住宅群で、E字形の平面図に地中海の雰囲気を漂わせています。とりわけ重要なのは、シンメリンクにある歴史的なガ ソメーター(ガスタンク)の改築で、産業建築の典型例として2001年に完成し、新たな副都心を形成しています。ヌーヴェルはガソメーターAを担当、完全 に改築するのではなく、塔の内壁に寄り添うように、居住棟を創造しました。大規模な建築にもかかわらず、ガラスの天蓋やガラスとスチールを多用した構造に よって、軽やかな印象を与えます。

     

    ガソメーター オーストリア工業を支えてきたガスタンクが615世帯も住める集合住宅に。世界広しといえども、ガスタンクの中に人が住める場所は、ウィーン以外にないでしょう。詳しくは→ www.wiener-gasometer.at

    カーベルヴェルク 何でも集合住宅にしてしまうのが上手なウィーンの人は、かつてのケーブル工場の敷地も964世帯が入れる集合住宅に。ここは、住居だけでなく、ショップや飲食店も入っているので、ショッピングも楽しめます。詳しくは→ www.kabelwerk.at

    ウィーンの建築を巡るツアー

    ミュージアム・クオーター(MQ)にあるウィーン建築センター(AzW)、オーストリア建築博物館は、恒常的にプログラムを提供する文化施設です。ウィーン建築センターは、建築と建築文化に関する展覧会場であり、研究施設であり、建築とその関連分野に関心をもつすべての人々を対象とする情報センターです。このセンターはウィーン市内と郊外に見られる20~21世紀の代表的な現代建築を訪ねる特別ツアーを実施しています。5つの「定番」ルートによるAzWトップツアーは新たな視角からウィーン市街を探訪します。旧市街の代表的な現代建築を巡る散策ツアー、地下鉄でドナウを渡りウィーン最先端を訪ねるツアー、オットー・ワーグナーを訪ねるツアー、傑出した建築コンセプトに基づき過去と現在の住居建築を巡るバスツアーなどバラエティ豊かです。