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    コーヒー、ケーキ

    オーストリアでは午後のコーヒータイムを「ヤウゼ (Jause)」と呼びます。ヤウゼにはカフェハウスやカフェ・コンディトライに人々が集まり、メールシュパイゼと呼ばれるケーキ類を楽しみます。

    ウィーンのカフェハウスは、コーヒーの種類が極めて豊富で30種類以上もあります。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

    メランジェ Melange
    ウィーンのコーヒーハウスで最もポピュラーなコーヒーの一つ。同量のブラックコーヒーと泡立てたミルクを混ぜ、さらに上に泡立てたミルクをのせたコーヒー。ソフトな味わい。

    ブラウナー Brauner
    モカコーヒーにクリームまたはミルクが添えられた一般的なコーヒー。大 (グローサーGrosser)と小 (クライナーKleiner)があります。

    カプツィーナー Kapuziner
    濃いブラックコーヒーに少量のミルクを入れ、同じく少量のホイップクリームを浮かせココアパウダーをふったもの。名前の由来はカプチン会の修道士のローブから来ています。このコーヒーは昔からある種類で、イタリアのカプチーノはこのコーヒーが発展したもの。

    モカ Mocca
    濃いブラックコーヒー。シュヴァルツアーともいわれ、小さなデミタスカップで出されます。いわゆるエスプレッソ。以前はフィルターで濾して入れていましたが、現在ではエスプレッソマシーンで作ります。

    アインシュペンナー Einspänner
    ホイップクリームを入れ粉砂糖をふって、持ち手のついた背の高いグラスで供されるのが正式。日本式の「ウィンナーコーヒー」に近いがホイップクリームが多い。
    ホイップクリームはかき混ぜてはいけません。そのまま熱いコーヒーをホイップを通して飲みます。由来は、一頭立て馬車(アインシュペンナー)。御者が片手に、ホイップを被せて冷めにくいコーヒーが入った取っ手付きのグラスを持ち、もう片一方の手で手綱を持ち、休憩したときにまだ暖かいコーヒーを飲んだという。

    フィアカー Fiaker
    モカにたっぷりの砂糖と少量のラム酒を入れ、ホイップクリームをトッピングしたコーヒー。ラム酒で体を温めていた観光馬車フィアカーの御者に由来。

    マリアテレジア Maria Theresia
    ブラックコーヒーにオレンジリキュールを入れたもの。 ホイップクリームを乗せ、脚付きグラスでサーブされます。ブランデーが足されることもあります。

    フランツィスカーナー Franziskaner
    ブラックコーヒーとミルクとホイップクリームが同量で、基本的に大きなカップで出されます。名前はフランシスコ修道会修道士のローブに由来すると考えられています。チョコパウダーをトッピングするところもあります。

    カイザーメランジュ Kaisermelange
    モカに、蜂蜜、(砂糖、)卵黄を混ぜたものを入れ、少量の泡立てたミルクかホイップクリームを乗せる。コニャックを入れる場合もよくあります。

    フェアレンガーター Verlängerter

    いわゆるアメリカン。ブラックコーヒーをお湯で薄めたもの。

    ブラウナー アイスカフェ Eiskaffee

    日本のアイスコーヒーとは異なり、グラスにバニラアイスを入れ、冷たいモカを注いでホイップクリームを添えたもの。

    *店によってカップの大きさや内容に違いはあります。

    アプフェルシュトゥルーデル Apfelstrudel
    ごく薄いパイ皮にたっぷりのリンゴを包んだアップルパイで、ロールして焼いたものをカットしてサーブされます。

    トプフェンシュトゥルーデル Topfenstrudel

    クリーム状のチーズ(トプフェン)を中身にしたチーズパイ。

    ミルヒラームシュトゥルーデル Milchrahmstrudel

    トプフェンシュトゥルーデルの中身に、ミルクを加えてやわらかくしたもの。温めてバニラソースをかけて食べます。

    パラチンケン Palatschinken

    クレープよりは厚めで、アンズジャムやトプフェン、アイスクリームなどを中に巻き込み、バニラソース、チョコレートソースなどをかけて食べます。

    クラプフェン Krapfen
    アンドーナツのように揚げたアンズジャム(時にはカスタードクリーム)入りのドーナツパン。

    ゲルムクヌーデル Germknoedel
    日本のあんまんを大型にしたような形で、中味はプラムジャム。粉砂糖とケシの実を混ぜたものをたっぷりとかけ、さらに溶かしたバターをかけます。

    グーゲルフップフ Gugelhupf
    オーストリア各地に見られるリング状のパウンドケーキ。チョコレートやナッツやドライフルーツを入れたりと、様々なバリエーションがあります。

    カイザーシュマレン Kaiserschmarren
    パンケーキの生地にレーズンを加えオーブンで焼いた後、細かくちぎり、粉砂糖を振りかけたもの。ジャムを添えます。

    カーディナルシュニッテ Kardinalschnitte
    メレンゲとスポンジケーキが交互に並んだ上下層の間に、クリームをはさみ込んだソフトなケーキ。

    リンツァートルテ Linzertorte
    リンツから全国へ広まったケーキ。厚いジャムの層が特徴です。

    ザッハートルテ Sachertorte
    世界的に知られるウィーン名物のチョコレートケーキ。伝統を誇るホテル・ザッハーはオリジナル・ザッハートルテと命名しています。

    ザルツブルガー・ノッケッルン Salzburger Nockerl
    小麦粉と玉子と粉砂糖でメレンゲ状に仕上げた菓子。一見量は多いが軽いのでたくさん食べられますが、デザートとしては一つを2~3人で分けていただくのがお勧めです。

    伝統的カフェハウスカフェハウス独特の雰囲気は次のような構成要素から醸成されます。これらのすべてでなくとも、いくつかの条件を備えた店は伝統的スタイルと云えます。


    ヘア・オーバー Herr Ober
    給仕が男性で、黒いスーツまたは白い上着に蝶ネクタイというスタイルが多い。「オーバー」はオーバーケルナー、つまり給仕頭の略ですが、実際にはどの給仕にもヘア・オーバーと呼びかけます。ベテランとなると威厳があり、各種情報に通じていて、常連客には極めて親切です。
    カフェハウス文学の中でもしばしば重要な役割を演じ、作家フリードリッヒ・トールベルクは、あるオーバーケルナーの死に際して美しい追悼文を残しています。

    新聞 Zeitung
    エスプレッソなどでも2〜3の新聞は置いてあるが、本格的なところでは、オーストリアの新聞ばかりでなく世界各国の重要な新聞が豊富に揃っています。いくつかの新聞を読み比べたいときなどに大変便利です。

    コップ入りの水
    Wasser
    コーヒを注文すると、小さな銀の盆にコーヒーとスプーンを乗せたコップ入りの水が出てくる。水も別注のヨーロッパにあって、これはウィーンならではの例外的なサービスである。
    因みに、ウィーンをはじめオーストリア主要都市の水はアルプスの清水を源泉とする水道で、硬水ですがおいしく、安心して飲むことができます。

    シャニーガルテン Schanigarten
    テーブルや椅子を外にならべ、鉢植えの木などで囲ったものをシャニーガルテンと呼びます。シャニーの語源には諸説あります。ちょっと寄ってくだいというSchau(見る)+ hin(こちらへ)がもじったものとか、昔は特にポピュラーな名前であるヨハンのニックネームから取ったとか、テーブルと椅子を外へ運んだり、又片付けたりする若い給仕さんのことを指していうとか、いろいろあります。

    フェンスターロージェ、シュピーゲルロージェ Fensterloge,Spiegelloge
    コの字形又は半円形に仕切られた席をロージェといい、窓ぎわにあるのがフェンスターロージェ、大鏡の前のものがシュピーゲルロージェといいます。

    カルテンティッシュ、ビリヤードティッシュ Kartentisch,Billardtisch
    伝統的な店にはよくカード遊びやチェス用のコーナーがあり、またビリヤード台が置かれているところもあります。

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