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    • Boat tour with Anna Pirtscher
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      アルプスの人生観

      就業中でも時々新鮮な空気を深呼吸する必要があります。もしオフィスが文字通り、空気が新鮮な自然の中にあったとしたら...。

    著者: ビルギット・ハルトマン

    長かった一日の仕事が終わり、湖の畔に座って、暮れなずむ風景を眺めるのは、どんなに素敵なことでしょうか。優しく瞑想を誘う湖水のさざ波に、考え事が溶け込んでいき、岸辺に打ち寄せる小波が返す度に心が落ち着きを増し、一日の出来事が思い起こされます。静寂で広大な湖 - これこそが、真にエネルギーの源です。だから、ここを仕事場と呼べるのが、どんなに素晴らしいことか考えてみてくだい...。こんな素晴らしい環境の中で、仕事を終えるだけではなく、一日の始まりを迎えられることを...。

    自然の中で仕事をする

    アンナ・ピルチャーは、オーストリアで2000ある止水域の1つ、アルトアウスゼー湖で働く幸運な労働者の一人です。オーストリア連邦森林局の森林保護官と生物学者である彼女の仕事は、森林の維持だけではなく、地域の水域に稚魚を放流する仕事にも携わっています。「こんな素晴らしい場所で一日を過ごせて、いろいろな形で自然をサポートできるなんて、私にとっては贈り物のような素敵な仕事です」と彼女は休憩時間に語ってくれました。そして、アルトアウスゼー湖は間違いなく、想像し得る最も美しいオープンプラン式(間仕切りのない)のオフィスの一つです。動き回るには地下鉄ではなく、ボートを使って移動し、コーヒーブレークには小鳥のさえずりが甘味を加えてくれますし、彼女のお気に入りの同僚は自然自身です。

    水、それはエネルギーの源

    湖や河川はエネルギーを供給し、人間には心の鎮静効果をもたらす、貴重な資源です。森林と同じように、アンナにとって水には特別な意味があります...。水には、ほとんど魔法のように人を惹き付ける力があるのです。確かに、常に人は水の近くにいる事を求めてきました。その理由は、我々の心の奥深くに根付いていますし、我々の進化の過程に関連しています。結局のところ、水は最も重要な命の根本原理であり、その岸辺から遠望する眺めは、人に安心感を与えてくれます。アンナが休みの日にも、一人で一息ついたり、友達とのどかな場所で楽しんだりするために、アルトアウスゼー湖の畔で過ごすのはまったく自然な事です。

    “「平穏と、広い視野、新鮮な空気と透き通った水...。そんな自然の中で働ける事は、人にとって起こり得る最善のことです。鳥の鳴き声や、ひたひたと打ち寄せる水の音など、自分を取り囲む心落ち着く音は特に貴重ですね」。”アンナ・ピルチャー, 森林保護官・生物学者

    アンナ、アルトアウスゼーの生物学者
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    アンナ ピルチャー

    ライフ・プロジェクト アウスゼーアーランド

    ザルツカンマーグート地方にあるアルトアウスゼー湖の周辺は、非常に美しい地域で、保護されなければなりません。美しい藍色の水を湛えた214ヘクタールの面積を持つ湖は、人々から親しみを込めて「ダークブルーのインク壺」と呼ばれ、レークトラウト、イワナ、パーチなど、多くの種類の魚が生息しています。イタリア・イモリや、キバラスズガエルなどの絶滅危惧種の両生類の再生を助けるために、アンナはEUライフ・プロジェクト「アウスゼーランド」に関わり、イモリが産卵できて、生まれた子供が安心して育つことができる池などを造っています。若い生物学者が取り組んでいる課題のその他の項目には、湿原の再帰化、混合樹木種の導入や、水柵の撤去などがあります...。「つまり、これにより、自然は元の状態に戻ることができるのです。」と彼女は微笑みながら、彼女の野外オフィスでの仕事に向かいました。

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