Austrian National Tourist Office
/ Peter Burgstaller
media_content.tooltip.skipped
リンツは文化と芸術の国際都市です。バート・イッシュルやハルシュタットなど歴史ある町は、優れた建築物の宝庫です。この州では、数え切れないほど多くの素晴らしい教会や修道院を見る事ができます。これら建築の珠玉を見て回ると、一日はあっと言う間に過ぎてしまいます。
オーバーエステライヒ州の建築は、ここに暮らす人々と同様に、すべての点でユニークです
諺では、すべてはリンツから始まる、と言われています。これは本当です。オーバーエステライヒ州の旅の起点には、ここ州都リンツからスタートするのが理想的だからです。出発するなら午前6時前の早朝がベストです。何故なら、ペストリンクベルクへ上る歴史的な登山電車の始発がこの時間に出るからです。頂上へ上れば、オーバーエステライヒ州の州都が徐々に目覚める、壮大なパノラマビューが拝めますので、早朝に出発する価値は十分にあります。
リンツ - 鉄の街から文化首都へと変貌を遂げた街
近年、州都リンツは、主に数多くの新しい建築プロジェクトにより、抜本的なイメージチェンジを遂げました。ほんの数年前まで、リンツでは鉄を溶かすことが主要な産業でした。現在では、芸術、科学、テクノロジーが融け合い、そこから新しく統合された素晴らしい合成物が創造されています。レントス現代美術館、アルス・エレクトロニカ・芸術・技術・社会センター、ブルックナーハウス、まだ建設中の新音楽劇場のような現代建築は、その創造過程で文化の根源を忘れることなく、その地域全体に躍動する力を与えています。
これら現代建築に対を成すものが、マリア大聖堂として知られる中世の大聖堂や、たくさんの小さな店が建ち並ぶ、ロマンチックな歩行者専用区域などがあるリンツの歴史地区です。伝統的なものと現代的なのもが見事に統合した場所が、「城博物館」とも呼ばれている壮大なリンツ城です。建物の片側では、古い城壁がドナウ河を見下ろし、1800年に破壊された建物の南側は、2009年にモダンなガラスと鉄でできた建物に再建されています。
地域の歴史を自転車で巡る
飾らないオーバーエステライヒ州の人々は、自転車を乗り回すのが好きです。そこで、州で一番素敵な歴史的な町の一つエンスへ行くなら、ぜひ自転車をお勧めします。高さ60メートルを誇る、堂々とした市の塔が見下ろす町の中心部は、完璧に保存されています。ここと同様に美しく、それぞれに特徴を持った歴史的な小さな町が、シュタイヤー、シェルデインク、グムンデンとヴェルスです。
オーストリアで最も美しい地域の一つと言われているのが、高くそびえ立つ山の頂と、目を見張るような美しさを見せる湖があるザルツカンマーグートです。19世紀後半に皇帝フランツ・ヨーゼフとその皇妃シシィーが、ウィーンでの気苦労やプレッシャーから逃れるために、なぜバード・イッシュルのカイザーヴィラをよく訪れていたかもうなずけます。今日でもこの建物に未だ漂う、紛れもない帝国時代のオーラを感じ取ることが出来ます。
ハルシュタットの独特の雰囲気と文化的な見所
バード・イッシュルとハルシュタットが近いのは、距離的なものだけではありません。どちらの町も独特の雰囲気と忘れがたき文化的特徴を持っているからです。ハルシュタットは、町の類まれなる構成により、ユネスコ世界遺産に登録されています。
ハルシュタット湖の幅の狭い西岸には、印象深い木造の古い船小屋がびっしりと並び、そのすぐ後ろには急峻な山々が空に向かって突き出ています。ハルシュタットのシンボルであるマリア昇天教会は、町の景観に魅惑的な独特の雰囲気を醸し出しています。
オーバーエステライヒ州の建築を語る上で、この州を特色づけている、多数の修道院、教会堂、城の事を抜きにしては語れません。この州を訪れるなら、丸一日を費やしてこれらの歴史的な建築の名作から、その優れた創造性を感じ取ってください。それら優れた建築物の中でも、特に秀でたものが、ヴィルヘリング教会堂、サンクト・フローリアン修道院、シュリアバッハ修道院、クレムスミュンスター修道院とその近隣にあるクレムスエッグ城です。