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    ザルツブルク州の建築ハイライト

    各都市にもし味があるとするなら、ザルツブルクの街はきっと砂糖のように甘美な味がするでしょう。それは、モーツァルトクーゲルンが、ザルツブルクで一番有名なお菓子だからだけではありません。バロックの街が持つ、おとぎの国の魅力に加え、現代建築でも訪れる人々を魅了しているからです。

    ザルツブルク州の建築は、モーツァルトクーゲルンのように上品です

    ユネスコ世界遺産に登録されているザルツブルクの歴史地区の狭く曲がりくねった道を歩く時、ここが真の文化都市である事が実感できます。特に、ザルツブルクで最も有名な若者ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生家がある、ゲトライデガッセ通りではそれを強く感じます。

    ザルツブルクの街独特のものの中で、「ドゥルヒホイザー」と呼ばれるものがあります。これは、建物の中に通り抜ける通路があり、近道として人々に利用されています。この通路は、街の中心的な存在のザルツブルク大聖堂や、この街の夏の文化行事のハイライトを飾るザルツブルク音楽祭での演目フーゴ・フォン・ホフマンスタールの「イェーダーマン」が、毎年上演される壮大なドームプラッツ広場への行くにも便利です。メンヒスベルクの丘の上から荘厳な姿で街を見下ろすホーエンザルツブルク城は、完全な状態で保存された城塞としてはヨーロッパで最大のものです。一方、メンヒスベルク現代美術館もまた同じように丘の上にあり、その現代的な建物のデザインは城塞と明確な建築的コントラストを形成しています。丘の片側では中世建築の歴史の好例が見られ、また他方では美術館の明快でシンプルなフォルムが現代建築を象徴しています。このように、この街の至る所で見る事ができる伝統と現代が共生する姿を、このメンヒスベルクの丘を一目見ただけで認識することができます。


    すべてのロマンチストにお勧めする、夢のデスティネーション

    ザルツブルクを訪れれば、遅かれ早かれヨーロッパで最も魅惑的な宮殿の一つ、ミラベル宮殿を通りかかる事になるでしょう。この宮殿には世界で最も美しい結婚式場として知られる、素晴らしい大理石の間があり、ロマンチックなカップルにとって夢のデスティネーションとなっています。その一方で、息を飲むような美しい湖畔に建つ、レオポルツクロン城はミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影で世界的に有名な場所となりました。この城を訪れ、他に類を見ない素晴らしい環境を体感すれば、その理由が良く分かるでしょう。


    鉄とガラスでできた巨大な翼

    このロマンチックな地区からわずか数百メートル離れた所には、まったく別世界開けています。それは、超モダンで壮大な建物「ハンガー7」です。この建物は、レッド・ブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツの威信をかけたプロジェクトによって建設されました。このハンガー(飛行機の格納庫)は、歴史的な飛行機や、その他航空関連の展示品を展示するだけの場所ではありません。外見は巨大な翼の形をしています。この大きな建築物は、鉄1200トン、ガラス380トンもの建材を使って建造されているにも関わらず、驚くほど動的で軽やかな印象を受けます。内部に入ると、見事に弧を描く巨大なアーチ型の天井が、素晴らしいテクノロジーとアートとエンターテインメントを統合した、広大な展示会場全体を覆っています。

    ザルツブルクの街から離れがたいのはよく分かりますが、郊外も訪れて見る価値が十分にあります。わずか30分のドライブで行ける町がハラインです。ここには曲がりくねった美しい通りや、かわいい広場、入念に改修された建物が、まさに中世建築の粋を具現化しています。ケルト博物館では、岩塩坑の興味深い歴史を学ぶことができます。


    ザルツブルク州の山岳地方で出会える名建築

    ザルツブルク州のアルプスでも、多くの興味深い建築が楽しめます。20世紀の初頭にオープンした当時、バード・ガスタインのグランド・ホテル・デ・ヨーロッパは、オーストリア・ハンガリー帝国の中で最も大きく、最も近代的なホテルであり、その時代には数少ない豪華なホテルの一つでした。現在でも、この建物はその当時のノスタルジックな魅力を醸し出しています。ザルツブルク州のルンガウ地域にあるサンクト・マルティン・シャレー・リゾートでは、まったく違う雰囲気が味わえます。これらの見栄えの良い可愛いシャレーは、伝統的なアルプスのスタイルでデザインされ、細部も非常に凝って仕上げられています。それぞれの木造のシャレーは、夏に野菜や果物やハーブが育つ庭の中心に建てられています。そしてこれもまた、ザルツブルク州で建築巡りのツアーをすれば、それが市内であっても、地方であっても、素晴らしい建物と共に、常に美しい自然の景観とも同時に触れることができるという事を実証している証拠の一つです。

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