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    • Hungerburg cable car
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    チロル州の建築ハイライト

    夏の季節にインスブルックを訪れる旅行者は、街の中心に氷河のような、氷の形をした斬新な構造物を見て驚嘆します。しかしこれは、これから体験するチロルの数多くの歴史的な建物と刺激的な対照を成す革新的な建築物のほんの一例に過ぎません。

    最上級の建築が揃った州、チロル

    もっと近くでよく見て見ると、この奇抜な建物はフンガーブルクバーンの麓駅であることが分かります。この駅は、ザハ・ハディッドによって設計されたものです。この女流建築家は、すでに2002年にインスブルックのベルクイーゼルのスキー・ジャンプ台の再設計をした際に、その洗練されたデザインでその名を馳せていました。その二年後、ハディッドはフンガーブルクの駅の設計によって、再び建築の新たな国際基準を打ち立てたのです。このハイブリッド・ケーブルカー鉄道に乗って、素晴らしい眺望を楽しみながら快適に山を上ってくると、この鉄道を建設した当時の人々が直面した、常に変化する地面の勾配角度や、でこぼこの地形といった、克服しなければならなかった技術的な難題の事などはほとんど想像することができません。


    インスブルックの中心街で出会う、ゴシック、ルネッサンス、バロックの名建築

    フンガーブルク・ケーブルカーの麓駅からほんの少し歩くだけで、かわいい歴史的な中心街に行き着きます。壮大なチロル・アルプスに抱かれた、絵のように美しいインスブルックの街はこぢんまりとしていますが、その建築物のすごさは巨大です。オーストリアで最も素晴らしいと言われるゴシック、ルネッサンス、バロックの各様式の建築物が、すべてこの街にはあります。その中には、バロック様式の華麗な化粧漆喰のファサードを持つ、ヘルブリングハウスもあります。そしてもちろん、インスブルックの建物の中で忘れてはならない有名な「黄金の小屋根」があります。この建物は、皇帝マキシミリアンI世のために建設された貴賓席で、金箔を張った2,657枚もの銅板で装飾されています。街の中心街と同じように刺激的なインスブルックの人々は、街と同様に活き活きとして元気一杯で、この街を訪れた旅行者は、地元の住民が人生を最高に楽しんでいることを実感します。息を飲むような美しいチロリアン・アルプスに囲まれたこの街では、リラクゼーションと共に、さまざまな新しい文化を発見ることができます。


    皇帝たちの人生に惹きつけられて

    ハプスブルク家の人々もまた、チロルの美しさを称賛し、インスブルックに邸宅を建てました。現在、見事に復元された皇室の集合住宅が付属するホーフブルク王宮では、女帝マリア・テレジアや皇后シシィーのライフスタイルや、日常行っていた仕事の片鱗を垣間見ることができます。隠れた裏の通路から火をくべるように精巧に作られた陶器製の暖房ストーブ、絹製の壁布、設えた宴席テーブルなど、これらすべてのものが当時ホーフブルク王宮に住んでいた皇族たちの生活の歴史を、呼び起こしてくれます。

    ベルクイーゼルが人の興味を惹くのは、先に述べたザハ・ハディッドがデザインしたスキーのジャンプ台のためだけではなく、2010年に新しく建設されたベルクイーゼル博物館に移設された、歴史的なパノラマ絵画「チロル・パノラマ」でも、たくさんの人々を惹きつけています。この作品は、大きさが1000平方メートルもある、360度の円形をした絵画で、1809年のベルクイーゼルの戦いで、チロルの自由のために戦った闘士を描いた大作です。


    山中にある現代建築

    チロルでは、人は山々によって囲まれて生活しています。そして、その山々は土地と人々に、信じられないほど素晴らしい影響を与えることがあります。それ故、現代建築がチロリアン・アルプスに根を下ろしたとしても、少しも不思議ではありません。モダンな革新的デザインで、環境に配慮したアルプスの避難小屋の建設数が増加し、伝統的で素朴な山小屋と共に、ハイカーや登山者に避難場所を提供しています。

    このような建物の好例が、オーストリアの最高峰グロスグロックナーの標高2800メートルに建つシュトゥードルヒュッテです。一部が楕円形をした構造をもつこの建物は、南西方向に240度も開けた眺望を誇ります。これにより、山小屋に最大限の太陽光を取り込むことができ、エネルギー効率にとても貢献しています。この建物は文字通り、非常に高くそびえ立つ建築上の功績と言えるでしょう。ヒュッテの営業は春スキー時期の3月中旬から5月中旬と、ハイキングシーズンの6月中旬から10月中旬。アクセスはカルスから。

    エールにある祝祭劇場の建物は、周辺のチロリアン・アルプスの景観に敬意を払い、周りの風景と調和するデザインとなっています。隣接するキリスト受難劇劇場で夏に公演が行われる時、暗いファサードを持つ祝祭劇場は周りの暗い森と一体化し、効果的な背景となります。そして、冬には正面の大玄関の役割を果たします。この季節には、暗い色彩の祝祭劇場は、白く雪化粧をまとった風景の中で際立ち、その印象的な建築が視野の中心となります。ところで、新しい祝祭劇場は、世界最大のオーケストラピットを備えています。非常に高い山々、最大のオーケストラピット等々...。正にチロルは、最上級の見所が多数揃った州なのです。

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