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    バーデン温泉保養地はユネスコ世界遺産

    「健全なる精神は健全なる身体に宿る」というのは、古代からの純粋な形の治療法です。ウィーン近郊のバーデンでは、古代ローマ時代の風刺詩人ユウェナリスの言葉「メンス・サーナ・イン・コルポレ・サーノ」を根底にした古代のスパ文化を謳歌してきました。ユネスコの世界遺産に登録されたことは、バーデンの長い歴史にとって輝かしい名誉です。

    バーデン・バイ・ウィーンは2021年7月、ユネスコ世界遺産に登録された歴史的なスパリゾート「ヨーロッパの大温泉保養地」の11都市の一つとなりました。これにより世界的に有名な温泉地として、バーデンの歴史と発展、芸術と文化はさらに明るく輝いています。バーデンは「皇帝の保養地」という肩書を支える長い伝統を持っています。古代ローマ人がすでに温泉で保養と健康回復を行っていた町は、15世紀になるとハプスブルク家の人々が滞在するようになり、さらに19世紀初頭、ハプスブルクの神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世(オーストリア帝国ではフランツ1世)がここを夏の避暑地として以来急速に発展、19世紀末には、ウィーンの上流階級、国内外の王侯貴族や芸術家などのサロンとなりました。

    Entrance to the Spa of Baden near Vienna
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    皇帝が保養に訪れ、帝国保養地となったバーデン

    今日、バーデン・バイ・ウィーンで健康促進と保養のために休日を楽しむのは、皇帝フランツ2世も同様でした。1793年以降、皇帝はバーデンをオーストリアの主要な保養地として整備し、1804年から1834年まで市を公式の「帝国の夏の滞在地」と名付けました。この時代に建築、芸術、庭園文化はビーダーマイヤーの全盛期を迎えました。カール・フォン・モロー、ヨーゼフ・コルンホイゼル、オットー・ワーグナーなどの建築家によって設計された邸宅、宮殿、広場は、世界の名声を得たバーデンにおける上流社会の生活を示すユニークな証です。

    Frauengasse, Baden bei Wien / Baden near Vienna
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    ビーダーマイヤー時代の街の散策を堪能する

    バーデン温泉は健康と保養のために、今日なお14か所の自然の暖かい硫黄泉と温泉を供給し、特別な癒しの効果を保証しています。でもそればかりではありません。建築、文化、街の構造がバーデンを特徴付けています。特別な街並みと景観、ホテル、ヴィラ、遊歩道、市立劇場、クアガーデン。そしてさらには、フラウエンガッセ通り、中央広場、ベートーヴェンハウス、レーマー・テルメ(ローマ温泉)、バラ園、アルヌルフ・ライナー・ミュージアムへと街を散策してみましょう。

    Beethoven House in Baden bei Wien / Beethoven House
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    音楽はこの地でも歴史を刻みました

    温泉地と音楽 - この組み合わせはまた、世界文化都市の一面です。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ヨハン・シュトラウスの父と息子、フランツ・グリルパルツァーなどの尊敬される作曲家や芸術家たちは、バーデンに定期的に滞在し、作品を書いていました。モーツァルトは彼の最後の教会音楽である美しい合唱曲『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を作曲し、ベートーヴェンは「歓喜の歌」で有名な交響曲第九番の大部分をバーデンで作曲しました。そのため「ヨーロッパの国歌の街」とも呼ばれることもあります。

    ご存知でしたか?

    UNESCOの文化遺産とは、モニュメント、建物のアンサンブル、芸術作品や工業用モニュメントなどの場所を指し、自然遺産には、自然の構造、地層、絶滅の危機に瀕している動植物が生息する地域、自然地域や自然の場所が含まれます。オーストリアには現在以下の12の世界遺産があります。

    • 温泉保養地バーデン・バイ・ウィーン(ニーダーエステライヒ州)オーストリアには以下の11の世界遺産があります。
    • ハルシュタット・ダッハシュタイン/ ザルツカンマーグート (オーバーエステライヒ州)
    • ザルツブルクの歴史地区(ザルツブルク州)
    • シェーンブルン宮殿と庭園 (ウィーン)
    • センメリング鉄道 (ニーダーエステライヒ州/シュタイヤマルク州)
    • グラーツ - 歴史地区とエッゲンベルク宮殿 (シュタイヤマルク州)
    • ワッハウ (ニーダーエステライヒ州)
    • ウィーンの歴史的地区(2017年より「世界の絶滅危惧遺産リスト」)
    • フェルテ -ノイジードラーゼー湖 (ブルゲンラント州)
    • アルプス周辺の先史時代の杭住居 - アッターゼーの湖底 (オーバーエステライヒ州)
    • カルカルペン国立公園のブナ原生林とデュレンシュタイン荒野のブナ原生林(オーバーエステライヒ州、ニーダーエステライヒ州)
    • ドナウ川ローマ帝国国境線(オーバーエステライヒ州、ニーダーエステライヒ州、ウィーン)

    詳しくは

    こちらも興味はありませんか?

    •                         Thermalstrandbad Lido Baden
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      バーデン温泉とウィーン温泉

      ウィーンから南に20kmのバーデンに古くからの硫黄温泉があります。2021年7月、ユネスコはオーストリアのバーデン・バイ・ウィーンを含む7カ国11の温泉都市を「欧州の大温泉保養地」として世界文化遺産に登載しました。そして、ヨーロッパ最大の都市温泉のテルメ・ウィーン。2010年に最新施設に生まれ変わり、発展を続けるオーバラーのテルメ・ウィーンは2014年、「欧州健康&温泉賞」のベスト温泉部門で二度目の金賞を受賞しました。
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      ウィーンの森

      ウィーンの北西から南にかけ、広大な丘陵地帯を占めるウィーンの森は、その中にブドウ畑やワイン造りの村々をまじえて、緑美しい別天地をなしています。やさしく広がる丘陵、清らかな小川のせせらぎ、ひっそりと佇む教会や家々...。
      ウィーンの森の見どころ
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