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    シュタイヤマルクのワインは、純粋な情熱から生まれる

    「シュタイヤマルク人の血はラズベリージュースではない」というのが、シュタイヤマルク州での決まった言い回しです。シュタイヤマルク南部のワイン街道では、ブドウジュースが話題の中心であることが一目瞭然です。エーレンハウゼンとロイチャッハ間のおよそ25kmの街道は、シュタイヤマルクで最も大きなワイン栽培地域です。

    今も昔も

     現代のブドウ畑の設計は、地域の景観づくりの一環として、印象的な風景文化を形成しています。そこには、何世代にも渡り、いかにブドウ畑や果樹園、森林、農地を開拓し、成長し伝統を作り上げてきたかがうかがわれます。この継承は今日まで変わっていません。
    南シュタイヤマルクのワイン街道は多くの称賛を受けてきました。ゲストに親切な人々、文化が高いブドウ畑、フレッシュでフルーティーなワイン、質の高いワイン居酒屋、「クラポテッツ」は目に見えるシンボルとして日常化し、地域の人々だけではなく訪れる人々の生活のリズムを作り上げています。南シュタイヤマルク州のワイン街道の際立った特徴は、ブドウ畑を抜ける狭い道、アップダウンの多い丘陵地帯です。

     

    完璧な対人関係を生み出すワイン

     すぐはっきり言えることは、たとえ違う世界観を持っていても、南シュタイヤマルクのワイン街道では、どの地域でも、どんな住人でも、ゲストをすぐに暖かく歓迎するホスピタリティを持っています。

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    ワイン街道として60年以上

     オーストリアで最も古いワイン街道に沿って、エーレンハウゼン、シュトラス、アルンフェルス、オーバーハーク、ロイチャッハという牧歌的なワインの生産地が結ばれています。このワイン街道の特徴としては、数キロメートル先にスロヴェニアとの国境があること、さらに、街道の近隣にあるガムリッツとの友好関係とワインを作る上での協力体制は、郷土愛に満ちた素晴らしいものがあります。

     南シュタイヤマルク・ワイン街道は、5つのコミュニティを結び、ヨーロッパの最も美しいブドウ栽培地帯の一つとして、伝統ある南シュタイヤマルクの中心軸を成しています。5つの地域にある観光局は周辺の小さな村々も代表し、宿泊などの紹介もしています。

     グラーツからは約50km、高速道路で約45分のところにあり、週末には人気の高い訪問先となっています。

    シュタイヤマルク・ワインは情熱から

    ブドウをやさしく観察し、「ほら、もう中の種が見えるようになりました!」と説明をしてくれるタマラ・ケーグルと一緒にブドウ畑を散策するのは、とても楽しい体験です。ここを訪れる人は、彼女とブドウ園を散策しながら、どのようにしてブドウの房が熟したかがわかるかなど、ブドウ栽培について多くを学べるだけではなく、生産者がワイン造りに溢れるほどの情熱を注いだワインを試飲させてもらえます。また、愛情込めて修復された300年の歴史を持つ居酒屋「モアイェーグル」では、「ヤウゼ」と呼ばれるワインによく合う美味しい軽食が供され、タマラのブドウ畑で採れたソーヴィニオン・ブランを賞味するのに最高の場所となっています。

     

    ワインを通じて地域を味わう

    ワインを造る人にとって、特に重要なことは、ワインを味わってその地域のワインの独自性が分かることです。「ブドウ畑のそれぞれの傾斜地で、味が異なります」と彼女は言います。ここステルメッツベルクのブドウの木は、理想的な条件を謳歌しています、と彼女はさらに説明を続けました。ここの畑は風通しがとても良く、東向きが開けていることで、午前中の日射量が非常に多く、雨が降ってもブドウの木が速く乾きます。同時に、ここ南シュタイヤマルクでは、極端な温度差があり、寒い夜には日中との気温差が最大20°Cにもなります。これがワインに、新鮮味と芳香性を与えます。このあたりの地形は、大変変化に富んだ、とても魅力的な土地です。土地は広大で全体が十分に見渡せないのですが、急峻なワイン畑が広がり、小さな家々が丘陵の頂に建ち並び、その間をカーブの多い、幅の狭い道が縫うように走っています。

     

    幼少期からずっと、ワイン造りに携わって...

    カタリーナ・ティンナッハーもまた、ワイン造りの稼業の中で育ち、ワインに全力を傾けてきました。ご周知の通り、彼女はました。父親は、そのまた父と同じようにワイナリーを経営し、彼女がまだ子供の時に5本のブドウの木を与えました。これらのブドウの木は自分の物で、その世話もすべて自分でしなければなりませんでした。それが何を意味するかを子供に理解させ、その大切さを分からせることが目的でした。ブドウの木の世話のご褒美として、彼女が育てて熟させたブドウを、チュウイングガムと交換してくれました。今ではカタリーナにとって、ブドウはすべてです。わずか27歳で、彼女はブドウ畑とワイナリーを家族から引き継ぎました。それ以来、順調に運営・維持しています。

    成功の一面は、仲間のタマラと同様に、2016年に有機栽培に切り替えたことです。葉から林冠に至るまでの管理、傷んだブドウを手で除去する手間のかかる作業、ワインセラーでの作業など多岐にわたります。蔵での仕事について、彼女によれば「ここでは、生まれてくるワインに私はただ付添っているだけ。なぜなら、品質はブドウ畑で作られるから...」。これは、タマラ・ケーグルや他の人たちとも共有している見解です。

    概して、この地域のワイン醸造者達の協力体制は、非常にすばらしいものがあります。地元の人々は、よく情報交換をしています。つまらない張り合いをして、生活環境を難しくするよりも、皆互いに助け合っています。その過程で、それぞれが多くの貴重なアドバイスを得ているのです。

    家族経営のワイナリー、ケーグル

    ワイン造りと蔵作りのマイスターであるタマラ・ケールグは、自分のワインセラーにはコピーしたものがなく、独自で生み出したオリジナリティに誇りを持っています。 2010年以来、彼女は3つの方向性でワイン造りをしています。一つは、軽さとフレッシュさとフルーティーさとエレガントに満ちた「南部シュタイヤマルクの古典的なワイン」、二つめには、正確に定義されたブドウから作り、特別な味わいを再現した「地元のワイン・ラッチュ」、三つめは、セラーで10~20年かけ成熟させることができる、最も個性的なラーゲンワイン「シュテルメッツベルク」 です。

     

    ウィン居酒屋と宿泊施設のあるワイナリー

     ブドウ畑が急な斜面のため、ここのワインは「マウンテンワイン」と呼ばれています。 畑を管理するには手作業で特に細かいケアが必要です。 2016年以来、ウェルシュリースリング種の "古いブドウ"と、白ブルグンダー種の "南シュタイヤマルク"は有機農法で育てられています。

    確かな目と質を見極める能力を持つタマラ・ケーグルは家族と共に、300年の歴史を持つ家をブドウ園の美しいパノラマの景色が見渡せるワイン居酒屋に改築しました。 良質のワインを楽しんだ後に車で移動したくないゲストは、4つある客室の1つ、またはブドウ畑のすぐ横にある田舎風の樽の間で夜を過ごすことができます。

    ケーグル・ワイナリー

    Tement winery in Styria
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    テメント・ワイナリー

    マンフレッド・テメントはオーストリア最大のワインメーカーの1つであり、南シュタイヤマルクのブドウ栽培の先駆者の1人です。 テメント・ワイナリーは、ソーヴィニヨン・ブランで有名です。 ブドウ畑は、石灰岩土壌の急斜面に造られています。 彼のワイナリーは昔のセラーを美しいシャレーに改装し、広いブドウ園の景色を堪能できる魅力的な場所です。

    南シュタイヤマルクのワイン作り

    ティンナッハー・ワイナリー

    2013年にカタリーナ・ティンナッハーはブドウ栽培を有機農法に転換しました。ブドウの活力を維持するために、ブドウの搾りかすや草葉の有機肥料を使い、ブドウの木の間には有益な草やクローバー、金盞花、ノコギリソウ、ヒナゲシなど、様々な植物を生い茂らせています。

    古くて、根を深くはっているブドウの木は、厳しい気候のなか、南シュタイヤマルクの見事な急斜面で栽培されます。数世代に渡る貴重な経験によって、土、砂利、石灰や貝殻を含む鉱物、泥灰岩と粘土からなる特別な土壌は注意深く管理されるのです。そして、各品種や年数によるブドウの特性を見ながら、手動で選別されたブドウは、丁寧にプレスされ、果汁は、大樽で酵母と一緒に発酵されます。

    1770年創業の家族経営のワイナリー

    ラックナー・ティンナッハー・ワイナリーのラーゲンワインは、類を見ないワインです。それぞれのブドウの木からはソーヴィニヨン・ブラン、モリヨン、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール、イエロー・マスカットまたはレッド・トラミナーのワインが一本のみできます。これにより、毎年複雑なワインと、涼しい年の時さえも、ブドウの成熟度を最高に保つことが保証されます。
    カタリーナ・ティンナッハーの姉妹が責任をもって現代建築、趣味のよいインテリアの本館、テイスティングルームは、カタリーナ・ティンナッハーの担当で、ぜひ一度は訪れる価値はあります。

    ワイナリーでは、ご希望があれば販売の他、試飲やガイドツアーも行っています。

    ワイン居酒屋(ブッシェンシャンク)と眺めの良いワイナリー6選

     

    • Pichler-Schober Winery
      おばあちゃんの特製ベーコンを、愛情たっぷりに手入れされたフラワーガーデンで楽しむことができます。
    • Gross Winery
      スロベニアまで続く丘陵地帯の景色を望むテラスで、軽食とワインをどうぞ。マルティナ・グロスが自ら健康的な飲食をサーブしてくれます。
    • Weinidylle Dreisiebner
      ハイキングの後にワインを飲みながら、自家製パンに塗ったスパイシーなスプレッドや甘いナッツパンが味わえる牧歌的な場所です。
    • Schauer Winery
      楽園へようこそ:ブドウ畑に隣接する庭園からは、サウサルの山々を見渡すことができ、草花やハーブ園にテーブルやベンチが置かれ、地域の食を楽しむことができます。
    • Tinnauer Winery
      地域の産物や自家菜園で採れた食材を使ったブレットヤウゼ(軽食)に加え、ワイナリーが栽培するブドウ畑でピクニックができます。
    • Weinhof Nekrep
      創作の自家製料理が、上質なワインに合うように提供されます。パノラマテラス付き。

     

    その他のワイナリー、ワイン居酒屋(ブッシェンシャンク)、宿泊施設はこちら

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