ノイジードラ―ゼ―湖周辺のワイン居酒屋
浅く塩分の多いノイジードラーゼ―湖は、オーストリア最大の湖であるだけでなく、ユネスコ世界遺産にも登録されており、ヨーロッパでは珍しいステップ湖の一つでもあります。広がるヨシ原と豊かな種類の鳥や野生動物が魅力で、自然愛好家にとって夢のような場所です。広大で開放的な景観は、心を落ち着けると同時に活力を与えてくれるものです。湖周辺には、居心地の良い田舎風でありながらモダンなワイン居酒屋(ホイリゲやブッシェンシャンク)が点在しており、地元の美味しい料理やワインを楽しむことができます。それでは、この魅力的なスポットを探検してみましょう。
ノイジードラ―ゼ―湖周辺の3つのワイン産地
ノイジードラーゼ―湖周辺は、日照が豊富で暖かい気候と多様な土壌に恵まれ、上質な白ワインや赤ワインの生産に理想的な条件が整っています。
湖の北部では、石や砂質ローム土壌が広がる土地で、フルーティーでスパイシーなツヴァイゲルト(Zweigelt)が豊かに育つほか、ブラウフレンキッシュ(Blaufränkisch)、ザンクト・ラウレント(St. Laurent)、ピノ・ノワール(Pinot Noir)、メルロー(Merlot)も栽培されています。湖の西側、ライタ山地の麓では、ミネラルが豊かな白ワインが際立ち、グリューナー・フェルトリーナー(Grüner Veltliner)、ピノ・ブラン(Pinot Blanc)、シャルドネ(Chardonnay)、ノイブルガー(Neuburger)といった品種が地域の歴史的なブドウ畑を彩っています。また、特別なデザートワイン「ルスター・アウスブルッフ(Ruster Ausbruch)」も、この地方を代表する逸品です。
なぜアウスブルッフなのでしょうか?アウスブルッフとは、貴腐ブドウから造られる甘口ワインのことです。貴腐はカビによって引き起こされ、ブドウから水分を奪い、レーズンのようにしなびさます。手で実を「割く」ことから、「ブレイクアウト」という言葉が使われます。
厳選されたワイン居酒屋とワイン酒場
ノイジードラー湖・ゼーヴィンケル国立公園
ノイジードラーゼー湖・ゼーヴィンケル国立公園の風景は、オーストリアが誇る山岳地帯とは正反対です。
パノニア平原は平坦で、多様な土壌と広大な草原が広がっています。湿地、牧草地、ヨシ原、乾燥草地、砂丘地、塩性地域がパズルのピースのように繋がり、数百種類の鳥や、グレー牛や野生馬といった印象的な動物たちの生息地となっています。このユニークな生態系は、オーストリアの他のどこにも見られないものです。しかし、ノイジードラーゼ―湖周辺は単なる自然の空間ではなく、何世代にもわたる文化的な風景でもあり、ワイン造りがその中心的な役割を担っています。
野生の自然:自然公園の「保護区」と呼ばれるエリアでは、開発や利用が行われていない自然の中で、絶滅の危機に瀕している家畜種が自由に歩き回っています。水牛、グレー牛、そしてバロック種の白いロバ(バロック・ドンキー)などがその代表です。