ザルツブルク・ドームクォーター
大司教の美術館巡回コース
15,000平方メートルにも及ぶ地区に、まばゆいばかりに散りばめられた2,000点もの美術品と、心揺さぶる1300年もの過ぎ去りし時の流れ...。
ザルツブルク旧市街の中心地である、見所が集まるドームクオーター。17世紀にギルボルト・グラフ・フォン・トゥーン領主大司教のもと造られた美術館巡回コースは、現在観光客に開放され、大聖堂広場の上段を散策することができます。
巡回コースを歩くと、街と市を取り囲む丘陵の魅力あふれる眺望が開けます。こ のツアーコースでは、権力の歴史、美術史、そして素晴らしい建築物が一度に見られ、その相互作用が繰り広げた様を垣間見ることができます。訪れた人は町の新たな豪華な見所を発見し、バロック様式を代表する建築の素晴らしい部屋の数々と2000点ものバロック美術品を堪能できるのです。
天と地をこの手に...
1803年まで、ザルツブルクの歴史の行方は、基本的には以下の3つの要素で決められていました。それらは、周囲の国々からの領土的独立と、塩・金属・貴石の鉱脈から得られる確固たる経済基盤、そして、人民のみならず、天と地までも支配すると言われた領主大司教の絶大なる権力の摂政です。
中世以来、その強大な権力を視覚的に誇示できるレジデンツ宮殿と大聖堂の大建造物を建設することが、領主である大司教の最大の関心事でした。8世紀から18世紀まで、これらの要素が領土の永続と独立、文化的・政治的繁栄を確保していたのです。ロマネスクとゴシックの豊かな遺産と、多くのバロック時代の遺産は、過ぎ去りし古の栄光を今に伝えています。レジデンツと大聖堂に隣接するベネディクト派男子修道院、シュティフト・サンクト・ペーターは、ザルツブルクの中世史の初めに創立され、以来、豊かな文化と精神生活の発展に大いに貢献してきました。
領主大司教の足跡を辿る
歴代の大司教の中でも、ザルツブルクにおけるバロック建築物建設を指示した最も重要な人物と言われているのが、領主大司教ギドボルト・グラフ・トゥーンです。彼は1654年から1668年の14年間に及ぶ在位中に市の外観に数多くの足跡を残しています。彼は大聖堂のアーチ道を建設させ、レジデンツと大聖堂広場のデザインを手がけ、大司教区サンクト・ペーター修道院の長い回廊の建設を指揮しました。これらの壮大な建設により、この循環歩道は創り上げられたのです。
ザルツブルクはアルプス山脈の北に位置する典型的なバロック様式の都市で、素晴らしい建築物と、現世的な美しさと、聖なる壮麗さが見事に融合したこの街は、世界でも稀に見るユニークな都市です。宮殿、レジデンツギャラリー、大聖堂とドーム博物館、大司教区のサンクト・ペーター修道院博物館に所蔵されている数多くのバロック芸術の至宝は、今後さらにザルツブルクのバロック文化が注目を集める基礎と成る貴重なコレクションです。
巡回コースの視点
通行時間
火曜日を除き、毎日午前10時~午後5時まで
7月~8月は毎日開館
入場は閉館の1時間前まで
ザルツブルク・カードで入場無料