シャーフベルク鉄道
標高1783mのシャーフベルク山に上るには、オーストリアで約130年の歴史を持つ、最も急勾配を走る蒸気歯車式鉄道を体験することができます。
アッターゼーを始めとする76の澄んだ湖、堂々と聳え立つダッハシュタインなどの山々、ハルシュタットのように世界的に有名な町があるザルツカンマーグートは、何百年もの間、訪れる人々を魅了してきました。
ザルツカンマーグートはオーストリアアルプスの中でも最も風光明媚な地域です 。親しみやすい小さな町やお城、湖を抱く深緑の山と盆地、轟々と流れる渓流、氷河に覆われたそびえ立つ山頂が見られます。
塩坑、山、水浴湖:数多くの湖や山、そしてユネスコ世界遺産に登録されているハルシュタットやバート・イッシュルなどの世界的に有名な場所が組み合わされています。この地域の湖には、面積においても、水深においても、色においても緑がかったものからターコイズブルーのものまで、水浴に適した様々な湖が76もあります。オーバーエステライヒ州、ザルツブルク州、シュタイヤマルク州の3州に渡り、ダッハシュタイン山塊、トーテンゲビルゲ、ヘレンゲビルゲの山脈の間に位置するこの地域の名前は、太古の昔からこの地で採掘されてきた塩に由来しています。
皇帝の保養地:19世紀、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后シシィは、他の多くの都市からやってくる市民と同様、バート・イッシュルで夏の季節を過ごし、いわゆる避暑地としてこの地を訪れました。 現在でも、ザルツカンマーグートの8つの地域(アッターゼー・アッターガウ、アウスゼーアーラント、バート・イッシュル、ダッハシュタイン・ザルツカンマーグート、フッシュルゼー、モントゼー・イルゼー、トラウンゼー・アルムタール、そしてヴォルフガングゼー)は、避暑地として世界中からゲストを迎えています。
飲料水のクオリティを持つターコイズブルーの湖水と、アッターガウの美しい丘陵地帯は、オーバーエステライヒ州域のザルツカンマーグートにあるこの地域の特徴であり、常に芸術家やクリエイティブな人々を魅了してきました。。画家クリムトは1910年から1916年の夏にはアッターゼー湖畔の町、シェルフリングに避暑に訪れ、彼の最も美しい風景画の多くはここで生まれました。グスタフ・マーラーはシュタインバッハの「作曲家の小屋」で交響曲第三番を作曲しました。自然の楽園、アッターゼー湖はザルツカンマーグートの湖の中で最大の湖であり、水深169mはオーストリアで3番目に深い湖です。各種ウォータースポーツが盛んなアッターゼーはダイビングでも人気の湖です。春に開花する果樹、夏には花でいっぱいの牧草地、秋の色の森は何世紀にも渡って人々によって形作られてきた文化的景観を歩いてみましょう。また、ここはかつて船乗りに人気の「バラの風」で有名でした。その昔、北東の風は湖岸の庭園でたくさん栽培されていたバラの香りを湖に運んだと言われています。
温泉保養地バート・アウスゼーを擁するシュタイヤマルク州に位置するアウスゼーアーラントは、いつの時代も詩人、画家、音楽家の第二の故郷となっています。この風景が芸術家にインスピレーションを与えるのも不思議ではありません。トートゲビルゲ山脈の麓にあるグルンドルゼー湖や、タウプリッツアルムなどの素晴らしい高原など、自然の宝庫です。また、伝統的な民族衣装もオリジナルに忠実に作られています。また、春になると花の草原に野生の水仙が咲き、一面がお花畑になります。5月の水仙祭りが伝統になっています。
ザルツカンマーグート地方では最大の町で、温泉保養地として有名です。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世、皇妃シシィ、そしてそれ以前のハプスブルク家の人々が愛したこの夏の帝室保養地には、かつてのハプスブルク家の風格が今も息づいています。皇帝の別荘(カイザーヴィラ)やオペレッタの名作を遺したフランツ・レハー ルの記念館、皇帝のために菓子づくりをした店「ツァウナー」、夏のレハール・フェスティバルが名高いスポットです。現在では、多くのカップルがこの地で結婚式を挙げています。
ダッハシュタイン・ザルツカンマーグート地域には、山とハルシュタット湖に挟まれた15~16世紀の古い家並みが残るハルシュタット、同じくハルシュタット湖畔に位置するオーバートラウンとバート・ゴイゼルン、そして少し西側のゴーザウ・アム・ダッハシュタインという、特別な魅力を持つ4つの町があります。その魅力的な景観と、文化的・産業的な歴史的意義から、1997年にユネスコはダッハシュタイン・ザルツカンマーグート地方を世界遺産に登録しました。人口2000人足らずの町ハルシュタットは、この近くで岩塩が採れたため先史時代(紀元前9〜2世紀)から重要な商業の中心地でした。ハルシュタット文化に関する資料や古代墓地の出土品などは、町の博物館に展示されています。 町には岩塩抗がありガイドツアーも実施されています。
ザルツブルクから一番近く、景勝地ザルツカンマーグートの玄関ともいえる湖です。ファイステナウ、フッシュル、エーベナウ、タールガウ、ヒンターゼー、ホーフ・バイ・ザルツブルグという6つの絵のように美しい村があり、その中心には透き通ったフシュルゼー湖があります。湖の面積は約3平方キロ。湖畔に建つ15世紀の古城ホテルがランドマークになっています。
ツェラー・ゼーとも呼ばれるイルゼーとモントゼーは、水温が27度まで上がる、ザルツカンマーグートで最も暖かい湖と言われています。ここでは、人々は心ゆくまで泳いだり、ウォータースポーツを楽しんだりできます。壮大な山の風景に囲まれて、ハイキングや登山、サイクリングもお勧めです。モントゼーには文化イベントが多く、モントゼー音楽週間、夏の音楽戯曲「イェーダーマン」の上演、レイクフェスティバルなどが毎年開催されています。モントゼー湖畔に建つ壮大な教区教会は、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の結婚式の舞台となった場所です。
オーバーエスターライヒ州に位置し、ザルツカンマーグートの中で最大の地域であり、オーストリアで最も森林が密集している風景のひとつです。トラウンゼー湖の水深は191メートルにも及び、ザルツカンマーグートの湖の中で最も深い湖です。トラウン川が流れ、海抜1,691メートルのトラウンシュタイン山がそびえ立つこの湖は、古代ローマ人の間ではすでに「幸せな湖」("lacus felix")と考えられていました。中心となる小都市グムンデンは、有名なグムンデン陶器の街です。その他、トラウンキルヒェン、エーベンゼーの町があります。 この地域の多数の山やトレイルは、ハイカー、トレイルランナー、アウトドア愛好家に真のパラダイスで、7月に毎年開催される湖の周りと山を走るトラウンゼー・マウンテンマラソンは近年大変人気です。
ザルツブルク州とオーバーエステライヒ州の2つの州がヴォルフガング湖を共有しています。 ザルツカンマーグートの代表的な地域の1つであり、オーストリアらしい生きる喜びが満ちあるれる場所です。その理由は湖を取り巻く自然と文化的景観だけではありません。 船旅や登山電車の楽しみ、スポーツやアクティビティのための多くのプログラム、そしてまた、ここに住む人々の快適な生活様式であり、迎えるホストも訪れる旅行者にとっても「すべてが素晴らしい」ことを保証します。湖畔にはロマンティックなサンクト・ヴォルフガング、モーツァルトのお母さんが生まれたサンクト・ギルゲン、静かなシュトローブルの町があります。冬にはクリスマスマーケットが有名です。
湖は元の名前をアーバーゼーAberseeといい、早くも西暦800年の古文書に出ていました。500年後、その名は「ヴォルフガングゼー」になりました。これは、中世に同じ名前の場所を巡礼地にした聖ヴォルフガングにちなんで名付けられました。ジンケンバッハからヴォルフガングゼーに大量の水が流れ込み、今日では特に水質の高い「EUの基準水域」としての地位を確立しています。
面積:12,4㎢、周囲:27㎞、長さ:10,3㎞、幅:2㎞、標高:538m、平均水温:22℃、水深:平均52m、最深114m
ザルツブルク州とオーバーエステライヒ州の人々は同じように自分たちの山を愛しています。この山の名前は、羊飼いヨナサンと彼の元気な家畜についての伝説に由来しています。ザルツカンマーグートの特に人気のある観光地で、山頂へはハイキングでも歯車式登山鉄道でも到達できます。晴れた日には山上から13の湖が見えます! 皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のザルツカンマーグートへの愛着もシャーフベルクのハイキングで最高潮に達しました。 すでに歳を重ね、そう強くもない皇帝がまだ夢の景色を待ち望んでいたとき、いわゆる椅子ポーターが彼を頂上に運びました。 この登山のために直線ルートに特別な階段が組み込まれました。
ザルツカンマーグートには、伝統的な文化、伝説、聖地など、特別な場所や歴史のあるラッキースポットが200箇所あります。西ザルツカンマーグートのエーベナウにあるプレッツ天然記念物、東のタウプリッツにあるシュタイラーゼー、北のコーゲルベルクにあるフォーゲル・アンナ・プラッツェル、南のオーバートラウンにあるコッペンヴィンケルゼーなどがその例です。これらの場所は、良い感情を呼び起こし、スローな時の流れ、内面的な熟考を促し、訪れる人に新たなエネルギーを与えてくれます。