リクリエーションが目的で自転車に乗ることは、何か特別なものがあります。自転車で旅する時、そのルートは目的地であると同時に、経験となるからです。アウトドアでペダルをこぐことは、光、匂い、スピード、音と、視覚的な印象がさまざまに変化するために、身体のすべての感覚にとって大きな楽しみとなり、とても自然な冒険となります。

ザルツブルク州にあるトュルーマー湖周辺を巡るサイクリングツアーではそのような体験が可能で、サイクリストはハーブガーデンを次から次へと見て廻ることができます。炎と水と空気と大地が、この有機ハーブで有名な地域を周遊するサイクリング体験を構成しています。炎はサイクリングに対する情熱を、水は4つの湖、ヴァラーッゼー、マットゼー、グラーベンゼー、オベートゥルマーゼーを、空気は野外での自然体験を、そして大地はもちろん、ハーブが育ち繁茂する所を表しています。

ザルツブルク州の湖沼地帯は、持続可能な環境に優しい方法で、干し草作りの農業が行われている地域です。この地方の人々は、何世紀にも渡り育ててきたこの植物に、鎮静とヒーリング効果があるという知識を、何世代にも渡り受け継いできました。収れん性のあるセージやスパイシーなバジルなど、多種多様の野生の食用ハーブが、伝統的なコテージの庭や、現代的な、らせん状や揚げ床式のハーブガーデンで、愛情を込めて上手に栽培されています。

ハーブをテーマとしたサイクリングコースで、これらの香り豊かなハーブ園を次々と訪れることは、感覚を刺激する素晴らしいレクリエーションです。

サイクリングコースは、牧草地や森や湖を通り、緩やかな起伏を見せる風景の中を抜けて行き、行く先々の湖沼地帯の村々では、魅力的なたくさんのハーブに出会うことができます。子供達にも興味をそそるハーブ・クイズが出され、彼らをいつもの電子機器から引き離して、自然の中へと惹き込んでいきます。この「ハーブの世界」と呼ばれている革新的で重要な提案は、人々にハーブの貴重な知識を伝え、共有する機会を与えてくれます。