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    ワッハウ渓谷 世界遺産 ドナウ川の真珠

    ドナウ川の自然史と文化史が融合するなかで形成されたワァッハウ渓谷は、温暖な気候に恵まれ、最高の白ワインを生み出します。その文化的景観がユネスコ世界遺産に登録されており、四季を通じて訪れる人々を魅了し続けています。

    ワッハウ渓谷の見所

    クレムスとシュタイン Krems-Stein
    ワッハウ渓谷の東の玄関口にあたるクレムスとシュタイン。クレムスはゴ シック、ルネサンス、バロックの街並みが見事に保存された美しい町で、城壁の一部が今も残り、13~16世紀の都市城塞、13世紀のゴッツォブルク城、 16~18世紀の市庁舎、初期バロック様式の教区教会など、美しい古い建物が見られます。旧市街の真ん中に、ドミニコ派修道院の建物をそのまま転用したワ イン市立博物館があり、昔からこの地方の重要な産業だったワイン作りについての興味深い展示があります。そのほか、クンストハレや風刺画美術館なや映画 ギャラリーなど、いろいろなミュージアムがあります。
    シュタインは、作品番号でその名を不朽のものとしたモーツァルト研究家ルードヴィヒ・ケッヘルの生まれ故郷です。www.krems.at

    ゲットヴァイク Goettweig
    クレムスの対岸、約5kmの丘の上には、これこそまさに信仰の要塞と呼ぶにふさわしいゲットヴァイク修道院が聳えています。修道院のテラスからのワッハウ渓谷の眺望は素晴らしく、ワッハウ観光のコーヒーブレイクにも最適です。www.stiftgoettweig.at

    デュルンシュタイン Duernstein
    12 世紀中頃に築かれた城に、十字軍遠征の帰路ウィーン付近で捕えられたイギリスの「リチャード獅子心王」が幽閉されていた史実は余りにも有名です。王の身の 上を案じた騎士ブロンデルは吟遊詩人に身をやつして王の好んだ歌を唄いつつ諸国を巡りました。デュルンシュタインの城にさしかかったところ、同じ歌で応え る声があり、ついにリチャードを発見したという伝説には、中世的なロマンの香りが漂います。
    ドナウに美しいシルエットを落とすデュルンシュタインの教会は、17世紀にバロック様式に改装されました。その絵画的な風景はワッハウ渓谷のハイライト。教会を取り巻く中世の街並みは良く保存されています。この町も古い町並みがよく保存され、古城ホテルのテエラスから眺めるドナウ川もまた格別の味わいです。ホイリゲでワインを楽しむのもお勧めです。www.duernstein.at

    ヴァイセンキルヒェン Weissenkirchen
    「リースリング」という白ワインの発祥地であるヴァイセンキルヒェンは、シュピッツから約10キロ下流に位置する町。一目でそれと分かる典型的な要塞教会があり、遊覧船からでも警備の塔や城壁がよく見えます。
    古い家並みが良く保存され、とりわけルネッサンス様式の美しい内庭と回廊を持つタイセンホーファーホーフの「ワッハウ博物館」には、当時のワイン農民の誇りと、富の歴史が紹介されています。www.weissenkirchen.at/

    シュピッツSpitz
    アッ グシュタインから下流へ約5キロ下った左岸にあるシュピッツの町は、メル ク〜クレムス間のほぼ真ん中に位置し、ワッハウ渓谷の中心地となっています。 ゆるやかな稜線を描く丘の斜面一帯にはぶどう畑が広がります。シュピッツの「船の博物館」では、ドナウ河を行く船の歴史をたどることができ、子供たちにも 人気のスポットです。www.spitz-wachau.at

    ヴィレンドルフ Willendorf
    シェー ンビュールの下流8キロにある小さな村で、旧石 器時代の出土品で有名な村です。古代人の豊饒のシンボルとされる「ヴィレンドルフのヴィーナ ス」もここで発見されました。村には、この女性裸像の石像を大型化した記念碑が立っています。実物はウィーンの自然史博物館に展示されています。www.willendorf.at

    アッグシュタイン Aggstein
    小高い丘にあるアッグシュタイン城址には、様々な逸話が語り継がれています。12世紀、この地方の貴族クエリンガー侯は、この城からドナウに鎖を渡して航行中の船を止め、略奪を行ったとされています。
    また15世紀には、盗賊騎士シュレッテンワルダーが、捕虜を絶壁のうえに閉じ込め、崖から飛び降りるか餓死するかの二者選択を迫ったといわれています。崖の上に建つ城跡からの眺めはすばらしく、盗賊騎士の伝説が真実味を帯びて迫ってきます。www.aggstein.at

    シェーンビュール Schoenbuehel
    9 世紀に起源するシェーンビュールの城は、14世紀に貴 族シュタルヘンベルク家の所有となり、17世紀には修道院が建てられました。そして、19世紀にベ ロルディンゲン伯の城となってからは今日見られる姿になり、メルクの次に見えてくるハイライトとして印象的な建物です。 www.schoenbuehel.at

    メルク Melk
    メルクは ワッハウ渓谷の西側の起点に位置する町です。ドナウ分流のほとりに建つベネディクト派の修道院は「横にのびた摩天楼」あるいは「信仰の要塞」などと呼ば れ、バロック様式の荘厳華麗な建物としてワッハウ渓谷のシンボルともなっています。10万冊に上る蔵書を誇る図書館も見学することができます。金色に輝く 豪華な礼拝堂や、テラスから望むドナウのパノラマも必見です。また、女帝マリア・テレジアの時代、マリー・アントワネットがフランスへのお輿入れの際に宿 泊したことでも知られています。www.stiftmelk.at

    シャラブルク Schallerburg
    メルクの南約5キロの場所に位置します。典型的なルネッサンス城塞の外観に加え、美しい回廊、マニエリスムの内装などが見事です。www.schallaburg.at

    アルトシュテッテン Artstetten
    メルクからドナウの対岸へ渡って西へ約10キロの町。サラエボで暗殺されたフランツ・フェルディナンド大公夫妻の眠る古城があります。城内では「マイヤーリンクからサラエボまで」と題し、フランツ・フェルディナンド大公の生涯を示す常設展を見ることができます。www.schloss-artstetten.at

    ドナウ川クルーズ

    ドナウ川流域を観光するにはクルーズが最適です。ドナウ川の流域で世界遺産のワッハウ渓谷は、修道院、城、宮殿、城址など歴史的な文化景観と、ブドウ畑が続く自然景観の両方が完璧なまでにそろっています。

    Donauschifffahrt, Oberösterreich
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    メルク~クレムス間を、ドナウ汽船とブランドナー汽船が観光船を運行しています。運行期間はイースター休暇の時期と4月中旬~10月下旬です。ウィーンからクルーズを含めた一日ツアーがいくつかの観光バス会社により催行されているほか、個人でも、列車でウィーンからメルクに行き、ドナウ下りの観光船でドナウを楽しみ、また船が着くクレムスから列車でウィーンに戻るという一日旅行を計画することができます。

    詳しくは

    世界遺産ワッハウの田園地帯を歩く

    180キロのワッハウ渓谷の世界遺産トレイルは、オーストリアの最も美しい長距離ハイキングコースの一つ。14段階の魅惑的な風景とワッハウの豊かな歴史に触れることが出きます。

    Kremstal-Danube long-distance hiking trail
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    風光明媚なワイン作りの村々、日陰の多いくぼんだ道、花々が咲く庭、太陽が降り注ぐブドウ畑...。これらすべてが、ドナウ渓谷の美しい景観を享受しています。ワッハウの世界遺産トレイル周辺の魅力溢れる田園地帯は、ここを訪れる人々を惹きつけ、180キロにも及ぶ長いハイキングの道のりに決して退屈を覚えない人々は、この地を何度も繰り返し訪れます。人々を惹きつけて止まない理由の一つに、この歴史的なハイキング・コース沿いに点在する、完璧に美しいルネサンス期の町並や、多くの城塞、城や宮殿の廃墟などが挙げられます。ワッハウは石積の段々畑や、急斜面のブドウ畑が特徴的な、世界で最も魅力的なワインの産地です。世界遺産トレイルも、この美しいドナウ渓谷の最も美しい区間を通っています。ハイキングにより消費された多くの運動量は、旺盛な食欲を生みますが、ルート沿いにある数えきれないほどの居酒屋が、ハイカーたちの空腹を満たしてくれます。オーストリアの居酒屋の主人の人生への情熱は、食に対する愛情となって反映されています。店で出される自家製の美味しい料理や洗練されたワインのお陰で、そこを訪れた客も、主人の愛情に簡単に同意することができます。ワッハウ産の杏子で作ったふんわりした杏子団子などは、特に美味しい名物料理の一つです。

    詳しくは

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    • 多様性に富んだドナウ川流域

      海に注ぐまでに、これほど多くの国々を貫流する河川は、世界でもドナウの他にありません。そのためドナウ川は、今までに無数の歌で賛美され、また、数知れぬ多くの人々がそこを旅してきました。この偉大なる河は、ドイツにその源を発し黒海に至るまで、実に2888キロにも及ぶ長い旅をしています。 ドナウ川はヨーロッパのライフラインとして、多種多様の人々・宗教・文化を調和のとれた形で結合しています。多様性に富み、ある時はのどかな、ある時は神秘的な表情を見せる岸辺の風景は、神話と伝説に彩られています。

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          Danube Linz with Ars Electronica Center
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