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    リンツァートルテ

    リンツァートルテの原型は「リンツァー・マッセ」と言われるものです。これは世界に存在するトルテのレシピの中でも最も古いものだと証明されています。 このレシピで作れば、オリジナルのリンツァートルテのように美味しく作れます。

    リンツァートルテは、国境を越えて広く知られるオーストリアの美味しいケーキで、たっぷりのアーモンドパウダーとシナモンやクローブなどをいれた生地に、レッドカラントのジャムをたっぷり乗せ、格子模様を付けて焼いた丸いトルテです。その名は、オーバーエステライヒ州の州都リンツに由来し、そのレシピが記述され初めて書物に残された世界初のケーキであるという点でも、非常にユニークなものです。このケーキが最初にその名を知られるようになったのは、フランコニア(現在のドイツ中南部から南ドイツの北部に位置する地方)出身のヨハン・コンラッド・フォーゲルが、1822年にリンツのお菓子職人の未亡人カタリーナ・クレスの店で働き始め、1823年にカタリーナと結婚したのが、このケーキのサクセスストーリーの始まりでした。フォーゲルはリンツァートルテを一種の大量生産で製造することを始め、お土産として定着させることに成功しました。そして現在、リンツァートルテはザッハートルテと共に、遠く外国の地でもその名を広く知られ、その味はザッハートルテと負けず劣らず、リンツの街を訪れる多くの人々に美味しいお土産として珍重されています。


    作り方

    作業台の上に小麦粉を山盛りに置く。バターを角切りにし、小麦粉の中に指の間で揉み込んで軽いパン粉状にする。それに、シナモン、すりつぶしたクローブ一つまみ、塩少々と、レモンの皮、またはレモン汁で味を付ける。すばやく、なめらかなショート・ペーストリーを作り、ボールの形に丸めてラップで包み、約30分涼しい場所に放置する。

     

    -180°Cにセットしたオーブンを予熱し、適当なサイズのスプリングフォームデコレーションケーキ型にバターを塗っておく。 

    -生地の半分ちょっとの量を、拳を使って焼き型の底に押し込む。残りの生地で何本かのロール状の形を作る(格子模様を作るため)、1本太めのロールも作る(縁取り用)。好みにより、ペーストリーのベース部分をウェハースでカバーし、縁取りのために全周1センチ分だけ残して、かき混ぜてなめらかにしたレッドカラント・ジャムを塗る。 

    -縁取り用に太めに作っておいた生地のロールを焼き型に入れ、優しく押し付ける。細めのロールを使って、格子模様を作る。好みで、アーモンドフレークを振りかける。 

    -溶き卵を生地に塗り、予熱しておいたオーブンで50分~60分焼く。焼き上がったタルトを取り出し、冷ます。理想的には、ラップで包み、1日放置する。 

    -他のレシピでは、リンツァートルテはもう少しやわらかい生地を使って、それを絞り袋に入れて、焼き型に格子模様に絞り出して作る方法を薦めています。


    由来:

    リンツァートルテの起源について真剣に調査している人は、直ぐに、エジプト、ヴェローナ、アメリカのウィスコンシン州のミルウォーキーを旅しなければならない事を知ることになります。少なくとも、彼らの頭の中で、そう考えるようになります。タルトのレシピで世界最古の記録として残っているものは、ヴェローナの伯爵夫人によって書かれたもので、今日オーストリアのシュタイヤマルク州アドモントの修道院の図書館にあるものです。このレシピは、アメリカでも19世紀中期に人気がありました。1822年にリンツに移り住んだケーキ職人がこのレシピを使い、偉大なリンツァートルテのベースとなった「リンツァー・マッセ」を創り上げました。今日、リンツァートルテは、オーバーエステライヒ州の首都を代表する料理のシンボルとなっています。

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