ターフェルシュピッツ
Wiener Tafelspitz ウィーンでは、ボイルドビーフであるターフェルスピッツが牛肉料理の王様です。
ウイーンっ子が牛肉について語るとき、茹でた子牛肉、つまり牛肉料理の王者であるターフェルスピッツを意味します。
オーストリア料理がヨーロッパの中心部にどれほどしっかりと根付いているかは、ウィーンの代表的な料理の1つであるターフェルスピッツからもよくわかります。上質な牛肉、数種類の野菜、芳香なスパイス、そして調理するためのたっぷりの水が基本の材料です。 フランス人が「ポトフ」を作ったり、イタリア人が「ボリートミスト」を作ったりするのと同じ材料です。
作り方
1.皮をむかずタマネギを横に半分に切り、油を引かないフライパンでカット面を下にして茶色になるまでローストします。脇に置いておきます。
2.大きなスープ鍋に約2リットルの水を入れます。根菜、長ネギ、焼いたタマネギ、月桂樹の葉、胡椒数個を加え、沸騰させます。洗った肉と骨を入れ、肉の質に応じて2時間半~3時間ほど柔らかくなるまで茹でます。その間、必要に応じて水を足し、上がってくるアクを取り除きます。
3.肉が柔らかくなったら(2時間ほど)多めの塩(お好みの量で)を入れます。
4.茹でたモモ肉が柔らかくなったら、鍋から取りだし、ゆで汁で温めておきます。残りのスープを再び塩で味付けし、好みによって濾します。スターターとして、スープにセモリナ粉の団子または、短冊クレープをいれ、小ネギを散らしてサーブします。
5.茹でた牛肉を肉の繊維に対して横にスライスして、予熱したお皿に並べ、小口切りしたアサツキを散らします。
6.添え物としては、ジャガイモのソテー、アップル・ホースラディッシュ、ディルソースのグリーンピース、またはほうれん草のピュレーがお勧めです。根菜も一緒に添える場合は、調理の途中で取り出してある程度の硬さに調理し、食べやすい大きさに切ります。
ご存知でしたか?
「ターフェルシュピッツ」(食卓の端)という名前は、たぶん、宮中においては、皇帝が料理を食べている時だけ、他の者も食べることを許されたという事実から名付けられたようです。食卓の「端」に座ったゲストには最後に料理が出されたので、食する時間に不利な立場だったという訳です。また、皇帝は非常に早く食べたので、多くのゲストは祝いの宴席で料理を一口も食べずに去れねばならないことがよくありました。通常、ゲストたちは近くのホテル・ザッハーに移動しました。ここでは、空腹な大公たちが到着するまで、茹でた牛肉が煮込まれていました。このように、宮殿で「ターフェルシュピッツ」に座ったゲストは、ここで「ターフェルシュピッツ」にありつけた訳です。