ベートーヴェン生誕250年
1770年にボンで生まれた大作曲家ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、22歳から35年間、ウィーンで暮らし作曲活動をしました。2020年はウィーンの多くのミュージアムと、ウィーンの森バーデンで特別展が開催され、音楽の殿堂やゆかりの場所ではベートーヴェンのオペラや交響曲などのコンサートが演奏されます。
生誕250年を祝う記念の音楽会に行き、ベートーヴェンの音楽に浸り、そして特別展や現在記念館となっているベートーヴェンが住んだアパートを見学したり、ベートーヴェンの記念碑やお墓を訪ねたりと、偉大なるベートーヴェンの足跡を訪ねる旅のヒントをご紹介します。
記念イベント
ベートーヴェンが35年暮らしたウィーンと、2年住んだウィーンの森の保養地であるバーデンでは、様々な角度からベートーヴェンの音楽と人生、周りとの関係に焦点を当てた特別展覧会が行われます。
「ベートーヴェン ― 人間界と神々の麗しき霊感」展
会場:オーストリア国立図書館プルンクザール
期間:2019年12月19日~2020年4月19日
ベートーヴェンの手紙や、自筆楽譜や印刷楽譜のコレクションが展示されます。たくさんの手紙の内容から、ボンからウィーンへの旅たち、彼の重要な教師や生徒たち、収入について、ウィーン時代の暗い時期についてなど、ベートーヴェンの生活や音楽活動について解明されます。ハイライトはベルリン国立図書館から貸し出された交響曲第9番のオリジナル原稿の束です。この第九のオリジナルは2020年3月8日までのみ展示されます。
「躍動するベートーヴェン」展
会場:ウィーン美術史博物館
期間:2020年3月25日~7月5日
ウィーン楽友協会のアーカイブと協賛で開催されるこの展覧会は、ベートーヴェン(1770-1827)への大いなるオマージュです。普遍的かつユニークな表現、音楽の画期的な意義だけではなく、神格化されたパーソナリティは文化、商業、政治の分野においても影響力を与えました。絵画、素描、彫刻の展示に、映画、ビデオ、パフォーマンスを通して、ベートーヴェンの時代から現代へ至る視覚の架け橋となります。
「インスピレーションとしてのベートーヴェン:ウィーン1900年の絵画に見る交響曲」展
会場:レオポルド美術館
期間:2020年5月30日~9月21日
交響曲第六番「田園」にインスピレーションを得たヨーゼフ・マリア・アウヒェンターラーはシャイト邸の音楽室に「田園」をモチーフにした大作を描きました。この作品が初めて展示されます。
音響インスタレーション「インサイド・ベートーヴェン」
会場:音楽の家(ハウス・デア・ムジーク)
期間:2020年6月10日~8月10日
最新の音楽エレクトロニクスと巧妙な空間デザインによって、演奏するアンサンブルの中の一員として、どのように感じ、どのように聞こえるかを体験できます。
また、音楽の家は2020年6月15日はオープンから20周年をむかえ、ベートーヴェン・ルームの常設展示に特別なオリジナル・ドキュメントが加えて展示されます。
「古典派音楽の三位一体:ハイドン-モーツァルト-ベートーヴェン」展
会場:モーツァルトハウス・ヴィエナ
期間:2020年2月19日~2021年1月27日
「ウィーン古典派」を代表するハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン。この三人の楽聖の共通点、相互関係、相違点に焦点を当てます。
「ベートーヴェンと彼の出版社」展
会場:ウィーン市庁舎内のウィーン図書館
期間:2020年2月28日~10月30日
ウィーン図書館はトップクラスの音楽関連のコレクションを所有しています。2020年はベートーヴェンの手紙や、ベートヴェンの作品の初版と初期版、序曲「献堂式」のサイン譜の断片が特別展で展示されます。 テーマは、音楽出版、後援、海賊版、および彼の財産です。入場無料
ウィーンの特別展について詳しくは
ウィーンの森、バーデンの特別展
ベートーヴェンが1821年から1823年まで住んでいたベートーヴェン・ハウスでは第九交響曲第4楽章の大部分が作曲されました。ゆかりの地、バーデンではフランツ・ヨーゼフ一世の別荘であった「皇帝の宮殿」においてベートーヴェンの展覧会を開催します。
「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの神話」展
会場:カイザーハウス・バーデン(皇帝の宮殿)、バーデン
期間:2019年11月9日~2020年12月20日
ベートーヴェンは一体どんな人物で、この作曲家は何を成し遂げ、彼の音楽はなぜ今日まで生き続けているのでしょうか。様々な視点から、いつ、なぜ、どのようにして「ベートーベンの虚像」が作られていったのかを解明します。
オペラ
オペラ「レオノーレ」(フィデリオの第1稿)
会場:ウィーン国立歌劇場
期日:2020年2月1日、5日、8日、11日、14日
ベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」は3つのバージョンがあります。1805年にアン・デア・ウィーン劇場で初演された第1稿が上記の期間中、上演されます。
オペラ「フィデリオ」
会場:ウィーン国立歌劇場
期日:2020年4月22日、25日、28日、5月2日
今回国立歌劇場で上演される第3稿は、歌劇場の前身である1814年にケルントナートア劇場で初めて演奏されました。
オペラ「フィデリオ ― または本物の愛」
会場:アン・デア・ウィーン劇場
期間:2020年3月16日、18日、20日、23日、25日、27日
ベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」はこの劇場で1805年に初演されました。世界的に有名なオスカー賞を受賞した俳優/監督のクリストフ・ワルツが舞台監督を務めます。ウィーン交響楽団、アーノルド・シェーンベルク合唱団出演
コンサートの一部をお知らせします。
ベートーヴェンの全歌曲
会場:ウィーン国立歌劇場グスタフ・マーラーホール
期日:2020年2月1日、2日(2回づつ)
演奏:国立歌劇場アンサンブル
ダニエル・バレンボイムのビアノリサイタル
会場:ウィーン楽友協会
期日:2020年5月21日、23日、26日、29日、31日、6月2日、5日、7日
ベートーヴェンのピアノソナタ集
ベートーヴェン交響曲全集
会場:ウィーン楽友協会
期日:2020年5月23日、24日(1、2、3番)、5月27日、28日(4、5番)、6月3日、4日(6、7番)、6月6日、7日(8、9番)
演奏:ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、指揮:アンドリス・ネルソンス
会場:コンツェルトハウス
期日:2020年3月23日(9番)、3月25日(1、3番)、3月27日(2、5番)、3月29日(4、6番)、3月30日(7、8番)
演奏:ミュージック・アエテルナ・オーケストラ、指揮:テオドール・クルレンツィス
グローバル・プロジェクトAll Together: A Global Ode to Joy「第九」
会場:コンツェルトハウス
期日:2020年10月16日
演奏:ウィーン放送交響楽団
全5大陸で9つのオーケストリアがそれぞれの母国語で「歓喜の歌」を奏でます。
*チケットはそれぞれの会場でご予約ください。
野外コンサート
無料の野外音楽イベント「2020年歓喜の祭り」
会場:英雄広場(ヘルデンプラッツ)、ウィーン王宮前
期日:2020年5月8日
第二次世界大戦終結75周年を記念し、ウィーン交響楽団による演奏会が開かれます。曲目はベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」から。
ウィーン芸術週間オープニング野外コンサート(無料)
会場:ウィーン市庁舎前広場
期日:2020年5月15日20時~
演奏:ウィーン交響楽団
ベートーヴェンの2つの都市、ボンとウィーンをライブで架け橋で結ぶ、同時コンサートで、パブリックビューイング付き野外イベント
シェーンブルンのウィーンフィル夏のコンサート
会場:シェーンブルン宮殿の庭園
期日:2020年5月21日
演奏:ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
毎年初夏に行われる大規模な無料コンサート。世界中にテレビ放映がされます。
セセッシオン(分離派会館)
ここには1902年にグスタフ・クリムトが描いた全長34mの壁画「ベートーヴェン・フリース」があります。ユーゲントシュティールを代表する名作の一つです。
住んだ家
〇ハイリゲンシュタットの遺書の家
ウィーン市立の博物館の一つ。ベートーヴェンの生涯をめぐる豊富な資料が展示され、ベートーヴェン・ミュージアムになっています。ここでピアノソナタ、バイオリンソナタ、交響曲「英雄」の作曲をしました。有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた家。
Probusgasse 6, 1190 Wien
〇パスクアラティハウス
リンク通り近くにあるこの家には、ベートーヴェンは1804年~1815年の間に合計8回、繰り返し住んでいました。ここでは、フィデリオが生み出され、ビアノソナタ「エリーゼーのために」が作曲されました。記念館で見学ができます。
Mölker Bastei 8 , 1010 Wien
〇プファーフプラッツの家
グリンツィングにあるこの家はワインの居酒屋で、地元の人や観光客でにぎわっています。
Pfarrplatz 2, 1190 Wien
ベートーヴェンの記念碑
ウィーンリンク近くのベートーヴェン広場 Beethovenplatz, 1010 Wien
ハイリゲンシュタット公園 Heiligenstädter Park, 1190 Wien
ベートーヴェンの墓
中央墓地の名誉地区32aにあります。市電71番で第一門 (1. Tor)下車
Simmeringer Hauptstraße 234 , 1110 Wien
散歩道「ベートーヴェンの小路」
ハイリゲンシュタットの遺書の家の近くに、ベートーヴェンがよく散歩した「ベートーヴェンの小路」Beethovengangがあります。ベートーヴェンが休憩をとったところ、ベートヴェン・ルーエに胸像があります。