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    • 星空パーク、ヴァイセンバッハ方面を望む
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    アッターゼー・トラウンゼー自然公園は星空パーク!

    美しい湖水地方のザルツカンマーグートのアッターゼー・トラウンゼー地域は、2021年4月「国際ダークスカイ協会IDA」によって、オーストリア初の国際星空保護区に指定されました。

    オーバーエステライヒ州で最大の自然公園である、アッターゼー・トラウンゼー地域はアッター湖とトラウン湖の間に広がる77㎢の森林地帯で、自治体はワイァレック、シェーフリング、シュタインバッハ、アウラッハ、アルトミュンスターが含まれます。地域の優れた文化的自然景観は、何世紀にもわたって人間によって形作られてきました。2012年には自然公園に指定され、文化と自然の宝物は、様々なプロジェクトや活動を通じて保存されています。2014年に「星空パーク」プロジェクトがスタートし、有害な光とエネルギーの浪費を徐々に減らし、自然公園の夜空の質が「自然に近い」状態となり、観光客にもより魅力的な自然景観を体験してもらうべく長年、地域をあげて努力を積み重ねてきました。その結果、2021年4月にIDAにより、オーストリア初の国際ダークスカイプレイス(星空保護区)として認定されることができました。

     

    天の川が肉眼で簡単に見える星空パークに

    昨今、世界中で光害が大きな問題になってきています。至る所で光源が強すぎたり、有害な光の色を放つランプが多く使われたりと、人工光は天文学者の観測に困難をもたらすだけではなく、自然と人に影響を及ぼしています。

    このような背景の下、オーストリア初の星空パークは、オーバーエステライヒ州政府、アッターゼー・トラウンゼー自然公園、ウィーン大学と地元のパートナーによる共同プロジェクトによって実現しました。プロジェクトチームは、有害な光と、エネルギーの浪費を徐々に減らし、人や動物の健康的な生活空間と美しい夜景を保護することを目的に、2014年にスタートしました。地域全体に光測定ネットワークを設置し、調査が始まりました。夜の暗闇と夜の自然景観を光害からできる限り保護するために、地域の公共の屋外照明の基準を変えました。迷光を避けるため、外套はシールドされ、可能な場合は夜間になるとスイッチが自動で切れるようにし、ランプの設置位置も最適なところに配置されました。また、光源は環境に優しい温かみのある色の電球に変えました。2018年には交換の時期に来ていたすべての公共の野外照明が新しいガイドラインに従って交換されました。これらの政策により、散乱光や不要な照明の量が大幅に減少し、照明のエネルギー効率も向上しました。IDAにダークスカイ保護区として申請をした段階では、公共の野外照明の75%が新しい地域の基準を満たしていました。

     

    資料:APA

    星空パークにあるガーベルク礼拝堂 / Oberösterreich
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    オーストリア初の「ダーク・スカイ・プレイス・ステータス」受賞

    アッターゼー・トラウンゼー自然公園の夜空の質と照明状況を科学的に分析した結果、夜の星空景観保護地区として最適という評価を得、2021年4月8日に受賞が発表されました。主な基準は、真っ暗な夜空で、例えば天の川が肉眼で見えるかで、簡単にクリアしました。

    シュタインバッハのエダー市長は、「屋外照明の改善はコミュニティの生活の質の向上だけでなく、新しい国際ダークスカイパークの保護にも役立つと考えています」と述べています。

     また、プロジェクトの責任者であるウィーン大学の天文学者、シュテファン・ヴァルナー博士は「長年の努力の結果、自然の夜空の保護に向けた大きな一歩が達成されたことを嬉しく思います」と述べました。

    国際ダークスカイ協会の受賞について
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