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    • The Fasnacht in Imst
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    チロルの仮面行列

    チロル州では大きなカーニバルの行事が開催されます。美しく、不思議な仮面をつけた仮装の妖精たちがにぎやかに練り歩きます。

    オーストリアでは、スキーのハイシーズンを迎えるころ、様々な伝統的な仮面行列が盛んに行われますが、とりわけチロルのカーニバルは有名です。チロル各地のカーニバルの行事である仮面行列は、滑稽な衣装をつけた楽隊が、伝統的な祭りのグループと一緒に練り歩くというものです。この祭りは冬を追い払い、春を求める人々の願いを象徴しています。

    「お化けの行列 - シェーメンラウフ」は3~5年おきにイムストで行われ、アルプス山岳地域の多くの仮面行列のなかでも、おそらく最も大規模で派手な祭りといえます。400年もの歴史を持つこの神秘的で壮大なイベントに多くの人々が惹きつけられずにはおれません。何百もの数の仮面の主人公はベルトに大きな鈴をつけたシェラーと、小さな鈴をつけたロラーで、ロラーの仮面は若い女性的な形相をしています。シェラーとロラーはシャインと呼ばれる大きな頭飾りをつけています。これは聖体顕示台のような形をした板で、周りは増加や金銀の金属片、ガラス玉、カラス羽などで飾られ、中央には鏡がはめ込まれています。男らしいシェラーは立派な髭をつけ、その頭飾りは女らしいロラーよりも大きく重く、木の枝で縁取られています。この「お化けの踊り」の祭り名は、ステップやジャンプ、身体のひねりなどに由来している一方、それぞれ仮装した妖精たちを象徴する仮面から来ているとも言われます。お化けたちは悪魔を追い払い、豊穣と富を人間にもたらすといわれています。 

    次回:2024年2月4日
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    イムストについて

    シェラーとロラーは、ナッセライトで3年毎に行われる「シェラーラウフェン」(鈴付仮面の踊り)でも現れます。彼らの頭飾りは王冠のような役割を果たし、真ん中に鏡が埋め込まれています。この祭りには、”掃除人”と呼ばれる個性的な人物も登場します。彼らは、装飾が施されたホウキを持ち、精霊たちが通る道を掃き清めると信じられています。そのほかに目立つのは水がたっぷり入ったバケツを持った魔女や、祭りの見物人の顔にススを塗りつける魔女たちです。ナッセライトの祭りで活躍するのは、”熊のグループ”で、この中には熊勢子、そして”口笛吹きの少年”などがいます。もし熊がうまく立ち廻ると次の年の収穫が恵まれると言います。

    次回:2026年1月6日
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    ナッセライトについて

    テルフスの「シュライヒャーラウフェン」はチロルのカーニバルのなかでただ一つ2015年、2020年、2025年・・・というふうに切れ目のよい5年毎に行われます。このふょうじは”シュライヒャー”(こそこそ立ち廻る人の意)という仮面をつけた人たちのグループの名前に由来します。この祭りは”提灯持ち”が先頭に立ち、シュライヒャー達は一列縦隊で忍び足で進みます。 彼らは、”旅館の主人”、”旅館の女主人”、”チーズ作りの人”、”農家の女”、”ヤギ飼い”の役をした人たちを取り囲みます。旅館の主人がシュライヒャー達を喝采をもって迎えると、ヤキ飼いが”輪の踊り”の合図をし、それと同時にビロードと絹の衣装をつけたシュライヒャー達は鈴をならさなくてはなりません。このシュライヒャーの頭飾りの特徴は、大きくふくれた帽子と、そのてっぺんに生活情景を描写したディスプレイにあります。過去一年間のイヤな出来事を芝居で見せる荷馬車も登場してくることから、この祭りはしゃれっ気をこめて”馬車の郷土芝居”とも呼ばれています。

    次回:2025年2月2日
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    テルフスについて

    ほぼ4年毎にアクサムで開かれる「ヴァンペラーライテン」に登場するヴァンペラーは”不器用で太った人”という意味があり、来ているリネン製の白いシャツには、ワラが詰められているため太って見えます。それに、ズボンと赤いスカートをはき、木の仮面をつけていますが、ヴァンペラーとライターの組み打ちになると布製の仮面に取り替えます。ライターは若い男性がなり、組み打ちに登場します。
    ヴァンペラーの方は、定められた方法に沿って、壁や垣根などあらゆる遮蔽物を利用して隠れます。ライターたちは、同様に規則に従って定められた地点で仮面をつけた相手方を攻撃します。もし、ヴァンペラーの大半が、ライターに投げ飛ばされずに祭場を通り抜けることができれば、良い年を迎えられると伝えられています。そして、この祭りのゲームでは、勝者が敗者からご馳走になります。大抵はライターが招待することになります。

    次回:2024年2月8日
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    チロルのカーニバルイベント
    アクサムについて

    チロル・オーバーランド地方のフィスで行われるブロッホツィーエンはおそらく、アルプスで最も独創的なカーニバルの風習の一つであり、伝統的なチロルのカーニバル一つです。紀元前からチロルの祖先が行っていた春祭りと豊饒祭りに端を発し、伝統的な儀式に沿ってスリリングな光景を提しています。フィス村の中心地が野外ステージです。
    35mもの長いシモフリ松の大木(ブロッホ)は、種をまくために畑を起こす鋤と、春の到来を象徴しています。ブロッホは装飾された木製のそりに載せられ、熊勢子(自然からの遣いを象徴)や、農民や職人に引かれ村をパレードします。

    次回:2026年1月25日
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    フィスについて

    タレンツのカーニバルは4年に一回行われます。イムストから少し北にある小さな村、タレンツのカーニバルには小さい祭りにもかかわらず数千人が訪れます。人々のお目当ては村を練り歩く伝統的で芸術的な祭りの衣装でしょう。野生的な魔女、熊、森の女たちや職人など、そして中心となる仮面をつけた一組のロラーとシャラー。彼らは冬と春の精で、冬を追い出し、春を呼ぶ戦いを演じます。

    次回:2025年2月9日
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    タレンツについて

    インスブルック郊外のパッチュでは、「シェレンシュラーゲリンネン」と呼ばれる女性限定のユニークなカーニバルが毎年、聖木曜日に行われます。この伝統は2022 年にユネスコによってオーストリアの無形文化遺産として登録されました。木製の仮面、レーダーホーゼン、羽や花で飾られた帽子をかぶったパッチュの女性たちは、キリスト教の四旬節の前の木曜日にカウベルを鳴らす伝統を大切にしています。シェレンシュラーゲリンネンは、高音と低音の組み合わせて鐘を鳴らしながら、ジャンプやお辞儀などの特別なダンスを踊ります。 木製のマスクと衣装は通常、家族内で母から娘へ、または祖母から孫娘へ受け継がれます。

    次回:2024年2月8日
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    パッチュについて


    その他、タウアーの「ムラーラウフェン(背中叩き)」、ランスの「シェレンシュラーゲン(鈴叩き)」や「シェーメンシュラーゲン(お化け叩き)」など、様々な伝統行事がチロルにはあります。

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