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    ザルツカンマーグートの手工芸

    ハルシュタット湖のすぐ近くの町、バード・ゴイゼルンに手工芸館があります。ここは、文化を愛し、郷土の文化を伝承する職人たちの仕事場であるとともに、職人が情熱を注いでいる手工芸と伝統を紹介しています。

    ハルシュタット湖のすぐ近くの町、バード・ゴイゼルンに手工芸館があります。ここは18世紀に領主がこの地方を治めるための役場として建造したもので、現在は、文化を愛し、郷土の文化を伝承する地域の職人たちの仕事場であるとともに、職人マイスターが情熱を注いでいる手工芸と伝統がを紹介されています。この施設は2016年に、無形文化遺産を保護するための優秀な手法として、オーストリアユネスコに登録されました。

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    生活衣料品としての「トラッハト」

    「昔、ザルツカンマーグートでは、仕事着といえば簡単に裁断されたトラッハトでした。」とバーバラ・ケルンが説明してくれます。「“トラッハト”という言葉は、“トラーゲン”(着る)という言葉に由来しています。この服は何よりもまず、実用的で丈夫な日常の仕事用衣料でした。女性の衣装であるディアンドルに使用する布地は、通常は安価なウールや麻でした。特権階級だけが絹や綿、その他の上質な生地を買うことができたのです。男性は木の伐採や狩猟をする時に、レーダーホーゼン(革ズボン)を履きました。一般的にこのズボンはヤギの革で作られていて、ニッカーボッカーとして履かれていました。これらの衣服は、普段着でした。」

    「19世紀に、人々は自分の家柄や起源を示すものとして、伝統衣装を着用し始めました。やがて、これがますます重要視されてきたのです。」とバーバラ・ケルンは続けます。「今日では、すべての地域の“トラッハト”には、それぞれ独自の独特な色と模様があります。例えば、アウスゼー地方のディアンドルや、最近加わったハルシュタット地方のディアンドルは、その地域で独自にデザインされ、特注で仕立てられた独特の民族衣装です。」

    オリジナルのハルシュタット・ディアンドル

    「アウスゼー地方のディアンドル」のボディス(胴部)は緑色、スカートはピンク色、エプロンはラベンダー色ですが、カタリーナ・シュトルクとレベッカ・シルヒャーは、「ハルシュタット・ディアンドル」を湖と景色の色彩に合わせてデザインしました。二人のディアンドルのデザインは、意識的に周囲の地理的な景観を取り入れています。

    • グレーのボディスは数千年前からの塩山での製塩に関係しています。灰色は険しい岩山の岩壁をイメージしています。
    • ブルーのスカートは水を象徴しています。
    • エプロンのピンクは人々の人生の喜びを表しています。
    • ボタンのデザインも興味深いもので、ハルシュタット時代(紀元前800年から450年)の先史時代のブローチをそのモチーフとしています。


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    避暑地の別荘

    都会の人々が田舎で夏を過ごす「避暑」という19世紀の伝統が、ザルツカンマーグートを完全に変貌させました。貴族階級と都会の中産階級の人々は、リラクゼーションを求め、夏の別荘を建てるためにこの人気の地域に集まり、地元の工匠たちの素晴らしい知識と技を自分たちのために大いに利用しました。そして、観光産業は成長していきました。建築ブームは、この地に雇用をもたらしただけではなく、地元の手工芸の重要性への認識も高めたのです。

    そんな中で、新しいスタイリッシュな要素が生まれました。それは木製のバルコニーで、未だにこの地域の各所で見られる特徴です。これは、「避暑」のための別荘の典型的な特徴で、バルコニーには今でも、例え雨の日でも目の前の美しい景色を楽しめるという長所があります。

    ベランダの上部にある木製の切妻は、優れた技によって作られた伝統的な文様で飾りつけられ、家全体の主要な装飾要素を構成していました。

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    “ザルツカンマーグートは、世界で最も歴史ある文化的景観であり、その中核をなす地域では、塩が7,000年も前から生産されています。 塩は人間によって形成された景観を生み出し、地域の名前の由来になっています。”

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    バルバラ ケルン
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