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    フィリップ・エッスル:ドナウの名シェフ

    ドナウ川、アンズ、ワイン、フィリップ・エッスルのグルメレストラン、ラントガストハウス・エッスル・・・すべてワッハウでは見逃せないものです。 30歳のトップシェフが作る伝統料理には新しいエッセンスがたっぷりです。お勧め料理は、「ワッハウ・アンズ」を使ったチーズパイスフレ、バニラパンナコッタ添えです。

    ワッハウ・アンズはもう食べごろかな?フィリップ・エッスルは、レストランの裏手にある庭で、曾祖母が植えた樹齢100年を超える75本のアンズの木をチェックします。フィリップが店で使うのはだだのアンズではありません。EUで保護されている原産地呼称の認定を持つワッハウ産アンズです。「表面が少し赤っぽくなっていて、見た目は良くても、サイズが揃っていないと特級品とは言えません味はとても甘く、少し酸味があリます。食べたことのある人なら、このアンズの味は知っています」。毎年7月になるとフィリップは初物のふわふわのアンズ団子を一口、舌の上でゆっくりと溶かしながら子どもの頃の味を思い出しています。

    • ラントガストハウス・エッスルのオーナーシェフ、フィリップ・エッセルは、ワッハウ渓谷のドナウ川右岸にある村、リューァスドルフで育ちました。「30年前、両親が祖母の木造納屋を何度か改造してワイン酒場にしました」。何年も家を離れ修行をしていましたが、結局生まれ故郷に戻ってきました。今日、そこにはフィリップの料理への情熱のおかげで、明るいダイニングルーム、モダンな中庭、ビオトープのある庭園を備えたランドガストハウス・エッスルが、ドナウ川のほとりに建っています。バーのそばには、以前の酒場のテーブルが2つ残っています。「将来的には、飲食だけでなく部屋も提供する予定です」。

    • ランドガストハウス・エッスルでは、シェフが朝から晩まで伝統的な料理に工夫を加え、若いチームと一緒に新しいことに挑戦しています。昼時になるとサイクリストやハイカーたちがお腹を空かせてやってきますが、お昼はあまり時間が取れません。ランチメニューにはタルタルビーフ、ボイシェル(内臓料理)、グランメル(ベーコン入り)団子、ローストレバー、バイリードシュニッテ(サーロインステーキ)、フライドチキンなどの料理があります。夜はもう少し洗練された雰囲気になり、9品のコースメニュー、5品のベジタリアンメニュー、一品のアラカルト料理が提供されます。伝統的な料理を現代風にアレンジし、目でも楽しめるようにすることが、フィリピンが大事にする点です。例えば、カリフラワーをオーブンで調理し、"濃い紫 "のジュレを添えた料理など、新しい料理を生み出しています。

    • 心ときめく開花から収穫までの季節

      ワッハウのアンズが熟す時期は、ドナウ川の気候によって決まります。フィリップ・エッスルはアンズが熟すまでじっと我慢です。霜から守ったり、散水したりしては行けません。自然の気まぐれにさらしておくのです。春、ワァッハウ渓谷で最初に開花するのはアンズです。それからリンゴ、ナシ、サクラの花が続きます。「霜が降りた後、花びらをじっくりと観察します。花の中が緑色なら、アンズはひとまず生き残ったということです」。そのあと、6月に果実が木から落ちてしまう不運もありえます。肥料が足りず、青く未熟な果実が木から落ちてしまうこともあるのです。若木は低いところを剪定することにより、隣り合うスペースが広くなり、日当たりもよくなり果実は摘み取りやすくなります。

    • 新しい装いで提供されるトプフェンシュトルーデル

      ワッハウ・アンズは保存がきかないため、スーパーマーケットに並ぶことはありません。「特に甘いアンズを使いたいので、木から落ちたばかりの完熟したアンズを摘みます。そのため1日3回庭に出てアンズを摘み、すぐに厨房で調理しています」。「私のスタッフは皆若いので、古典的な料理を現代風にアレンジすることが好きです。看板メニューはトプフェンシュトルーデルスフレTopfenstrudelsouffléで、クリームチーズ(トプフェン)を使ったふわふわのスフレの間に薄いパイ生地を挟んでいます。そしてローストしたアンズとアンズソルベとバニラパンナコッタを添えます」。

    • フィリップ・エッスルのオススメ:ワッハウ・あんずジャム

      アンズを煮詰めると、ジャムが透明になったり、ガラス状になったりすることはありません。これはワッハウ・アンズを使ったジャムの典型的なものです。材料は、グラニュー糖とアンズは1:2の割合、そしてアスコルビン酸(ビタミンC)粉末。作り方はアンズの茶色い部分を切り取り、グラニュー糖をふりかけ、2〜3時間放置します。これにより果実から貴重な果汁が徐々に放出されます。美しい色合いと酸味のためにアスコルビン酸(クエン酸でもOK)を少量加えます。ざっとかき混ぜ一度沸騰させます。アンズがある程度柔らかくなったら、鍋から降ろして滅菌した瓶に注ぎます。

    Hood chef Philipp Essl Country Inn Essl Wachau Lower Austria
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    地域パートナーとの協力

    シェフのフィリップ・エッスルは、ワッハウ地方やその周辺地域で採れた最高品質の食材のみを使用しています。そのため、「AMA GENUSS REGION」グルメ地域指定のシールも取得しています。そして、ニーダーエステライヒ州レストラン文化協会のメンバーであることも誇りです。「私のメニューでは、海の魚や淡水魚の料理が人気です。淡水魚はバイオの養殖業者から買っているのですが、彼の池にはダッハシュタインのラムザウ渓流のイワナやマスがいます」。そこでは魚は小さな甲殻類を使った有機の餌を与えられていて、ゆっくりと育っています。

    メニューにあるワインのほとんどはワッハウ産です。その中には、ヨーゼフ・フィッシャー・ワイナリーやゲオルク・フィッシェングルーバー・ワイナリーなど、ドナウ右岸の若い醸造家のものも多く、シュピッツやデュルンシュタイン、ヴァイセンキルヒェンの醸造家に比べると知名度は低いと言えます。しかし、「成長中の若者である自分たちに注目してほしい。だからこそ、私たちはもう少し革新的でありたいと思うのです。ホイリゲやホテルを継いだり、ブドウ栽培の新境地を開いたりする若くて勇気のある人たちです」。

    フィリップは朝早く、愛犬とドナウ川の砂利浜に散歩に出かけます。彼が飼っているフラットコーテッドレトリバーは、どんな気温でも思いっきり水に飛び込んでしまうほど元気です。家の玄関を出るだけでカワウソ、ビーバー、サギ、カワウ、カワセミなどを見ることができます。
    この自然体験は、「LIFEプロジェクト・ワッハウ」のおかげです。ドナウの本流と湿地帯を分離していた曳舟道を取り除いたことにより支流が生まれ、多くの魚種の繁殖に不可欠であり、水生鳥の休息および繁殖地としても不可欠である自然の砂利の土手や平らな川岸などができました。これにより川とワイン畑の間に沖積地の景観が生まれ、動植物だけでなく人間にとっても非常に魅力的な風景です。ゴムボートで川を下ったり、砂利浜でワインを飲んだり、キャンプファイヤーを囲んで友人とバーベキューを楽しんだりすることもできます。ドナウ右岸の利点はドナウ自転車道が通っており、対岸のヴァイセンキルヒェン、デュルンシュタイン、シュピッツといった有名なワイン村をサイクリングで見渡すことができることです。ドナウ川の右岸は静かでブドウ畑や果樹園の中にたくさんのホイリゲがあります。

    ワッハウでのエクスカーションのヒント

    ワッハウのフィリップ・エッスルを訪ねて

    こちらにも若いシェフの人気店があります。

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