チロルは何世代にもわたって、伝統料理を受け継ぎながら、新しい想像力に富んだ創作料理を巧みに組み合わせてきました。そのため、老若男女を問わず、ユニークな味覚の発見と比類ない料理の楽しみを味わうことができます。
チロルのチーズ、バター、シュペック（ベーコン）、ソーセージは、山小屋やアルプスの牧草地をハイキングした時に、ブレットヤウゼ（木の板に乗せた軽食）で味わえるだけではありません。この州の典型的な料理は、アルプスの牧場や山小屋、そして麓の町の宿や高級グルメレストランで、地域の味を守り、地元の食材を使って調理されているのです。
チロルの代表的な料理である、目玉焼きをトッピングしたグレーストル（ジャガイモ料理）やカスプレスクネーデル（チーズ入メダリオン団子）スープ、ジューシーなローストビーフなどが、お腹を空かせた山好きの仲間の舌を楽しませてくれます。アルプスの小さな酪農場、果樹園、パン屋さんでも、地元の人々が愛情を込めてチロルの味を提供しています。
標高の高い地で、質の高い料理が創り出されていることを、味わうだけでなく、五感で感じることができます。チロルのアルプスの牧草地で、山のもてなしを受け、チロルのアルプスのチーズや灰色のチーズの製造するところを見学してみてください。アルプスのハーブツアーや、チロルのスピリッツの醸造所を巡る、シュナップス街道では、地域の特産物の香りを楽しむことができます。夏の終わりに行われる祭り、アルムアップトリープでは華やかに飾り立てた牛や羊、ヤギが渓谷に戻り、色とりどりの光景を目にすることができます。
オーストリアでは、古くから食文化が重要でした。いくつもの民族からなるハプスブルク帝国の何世紀にも渡る統治により、多彩な食文化が融合し磨き上げられ、ここからオーストリア伝統の味覚が生み出されました。オーストリア料理ほど多くの影響が刻まれた料理はなかなかありません。そして、ウィーンの宮廷料理を始め、それぞれの州に郷土料理が今も伝えられています。
